ボイストレーナーをしていると
「声が低くても歌いやすい曲、なにかありますか?」
と、かなりの頻度で質問されます。
多くの方々にとって悩みとも言える「声が低い問題」。いかんせん、最近の曲は高い声で歌わなければいけない曲が多く、ネットで調べて出てくる「声が低くても歌えるカラオケソング」みたいな記事を見ても載っている曲のキーが高いことがしばしば・・・。
そこで、今回はボイストレーナーとしてこれまでに数百人の指導に携わっている私が女性の皆さんへ向けて「声が低くても歌いやすい曲」を厳選して紹介してまいります。年代別に分けてお伝えしていくのでレパートリーを増やす参考にしてみてくださいね!
声が低い女性でも歌いやすいカラオケの定番曲・人気曲:2010年代の曲
あいみょん – マリーゴールド(2018年)
低めな声と昭和の雰囲気漂う楽曲で今、最もアツいアーティストのひとりであるあいみょんからは「マリーゴールド」を選びました。あいみょんの声は低いと言われていますが、声質的に低く聴こえるだけで実際はそんなに低くありません。
特に、最近の楽曲になるほど最高音が少しずつ上がっていて、かつ発声も滑らかになっているのでカラオケで歌う難易度は簡単とは言い切れません。
そんな中、「マリーゴールド」はゆったりした曲調で、音域もさほど広くないので歌いやすい曲ですよ。
藤原さくら – Soup(スープ)(2016年)
藤原さくらは愛らしい声をしていますが意外と最高音が低めな曲が多いので狙い目です。
その中でも狙い目はミドルテンポの名曲「スープ」です。最高音もHiB♭と低めなのでぜひチャレンジしてはいかがでしょうか?
にじいろ – 絢香(2014年)
絢香の「にじいろ」はNHKの朝ドラ「花子とアン」の主題歌として書き下ろされた楽曲です。
綺麗なピアノからはじまるこの曲は明るくてゆったりとしていて、裏声で歌う高い部分はあるものの、地声の最高音はHiBと高すぎないので歌いやすいですよ!
2000年代の曲
チョコレイト・ディスコ – Perfume(2007年)
パフュームの「チョコレイト・ディスコ」はカラオケで盛り上がること間違いなしのクラブミュージック調の曲です。
皆が耳にした覚えがあるキャッチーなメロディは口ずさみやすく、高音は裏声で歌っても大丈夫なメロディラインなので歌いやすいですよ。カラオケで歌って皆で盛り上がってみましょう!
CHE.R.RY(チェリー) – YUI(2007年)
YUIの「CHE.R.RY(チェリー)」は春らしい爽やかな名曲です。
テンポはさほど早くないのですが、歌ってみるとAメロの言葉が詰まっていてリズムに乗るのが少し難しいかもしれません。
しかし、音域はあまり広くなく、高い声は裏声を使って歌ったり友達と一緒に歌うことで盛り上がれるタイプの曲なので覚えておくとカラオケを楽しめるはずです。
愛のうた – 倖田來未(2007年)
倖田來未の「愛のうた」はロック調のゆっくりとした曲調のバラードソングです。
恋愛中の女性ならつい共感してしまいそうな歌詞に思いを馳せながら歌うことでスッキリすること間違いなし!
この曲はサビの一部以外は声が低めなので比較的歌いやすいですよ。
KISSして – KOH+(2007年)
福山雅治と柴咲コウがコラボレーションしたユニット・KOH+の「KISSして」はテレビドラマ「ガリレオ」のオンエアと共に大ヒットして話題となった人気曲です。
歌詞が可愛らしいので歌っていて恥ずかしくなるかもしれませんが、キーが低めなので高い声が出ない方にも歌いやすい曲ですよ。柴崎コウのようにクールに可愛らしく歌いこなしてみましょう!
Story – AI(2005年)
AIは低い声がカッコ良いヴォーカリストで、「Story」もほとんどが低い音域で歌っているので他のサイト様でおすすめされていたり、実際に生徒さんも課題曲として選ぶことが多いです。
しかし、Cメロだけは高音が出てくるのでここを上手く歌えるようにペース配分をすることが上手く歌うコツです。
低い声でじっくり歌いこなせるとかなりカッコ良いのでぜひチャレンジしてみてください!
リルラ リルハ – 木村カエラ(2005年)
木村カエラの「リルラ リルハ」は陽気でゆったりとしたテンポのロックな曲です。
Aメロで瞬間的に高い音が登場するものの、ここを上手く裏声で歌えればあとはキーも低く、メロディラインも簡単なので低い声の女性にとって歌いやすい曲です。木村カエラの曲は低めなキーが多いので全般的におすすめですよ!
ハナミズキ – 一青窈(2004年)
一青窈の「ハナミズキ」は誰もが知っている、2000年代を代表する大ヒットソングです。
サビの「可愛い君のね〜」のあたりで高めな音が登場するものの、全体的にゆったりしていてキーが低めなので比較的歌いやすい曲ですよ。あなたにとって大切な人のことを想像しながら歌うとより雰囲気が出るはずです!
secret base ~君がくれたもの~ – ZONE(2001年)
ZONEが2001年リリースした「secret base ~君がくれたもの~」は20〜30代にとって夏の歌の定番となっている名曲です。
井上真央出演のドラマ「キッズ・ウォー3」の主題歌としてドラマと共に話題になり、その後アニメ『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』でも起用されたり、色々なアーティストにカヴァーされているので聞き覚えのある方が多いかと思います。
最高音がサビの中に一瞬出てくるHiC#と高めではありますが、上手く裏声で歌えれば他はさほど高くなく、テンポもゆっくりしていてメロディラインも難しくないので歌いやすい一曲です。
Look Back Again(ルック・バック・アゲイン) – 矢井田瞳(2001年)
矢井田瞳のLook Back Again(ルック・バック・アゲイン)は2001年に大ヒットしてからいまだにカラオケの定番曲となっている名曲です。
一見すると高く聞こえますが、本人は裏声を上手く使いながら軽い力感で歌っています。裏声は練習してみると意外と簡単に使いこなせるになるので「裏声の練習曲」としてチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
声が低い女性でも歌いやすいカラオケの定番曲・人気曲:1990年代の曲
丸の内サディスティック – 椎名林檎 / 東京事変(1999年)
椎名林檎 / 東京事変の「丸の内サディスティック」はジャズテイストでお洒落な雰囲気が漂う人気曲です(※映像は「幕ノ内〜」となっていますがこれは企画物なのであえてタイトルを変えています)。
この曲は一見難しそうに聴こえるかもしれませんが、サビの高い声を裏声で歌えれば他のパートの音域は低めなので、声の低い方にとっても歌いやすい曲です。椎名林檎のようにセクシーな低音ボイスで歌えたらとてもカッコ良く見えるはず!
糸 – 中島みゆき(1998年)
中島みゆきの「系」は誰もが耳にしたことがあるであろう、平成を代表する大ヒットソングです。
中島みゆきの曲はキーが低めな曲が多いので低い声の女性には一押しですよ。私がこれまでに数多くの生徒さんのレッスンをする中で最も課題曲として皆さんが選ぶ曲が「系」、という位定番なので覚えておくとあらゆる場面で役立つこと間違いなしです。
Bメロやサビに一瞬だけ高めな音が出てきますが、ここはもし地声が出なければ裏声で歌っても問題ありません。
メロディも簡単で音域も狭めな曲なのでぜひチャレンジしてみてくださいね!
アジアの純真 – PUFFY(1996年)
PUFFY(パフィー)は90年代に大ヒットしたのち、いつの間にか北米に進出して人気を博していたという2人組のユニットです。
「アジアの純真」はそんなPUFFY(パフィー)の代表曲で、80年代ロックの雰囲気漂う軽快な曲調でキーも低めなので低い声の女性にとっても歌いやすいです。30代以上の方にはおなじみの曲なので、20代の方が年上の方と行くカラオケ対策で覚えておくと良いかもしれませんよ。
碧いうさぎ – 酒井法子(1995年)
「ノリピー」こと酒井法子の大ヒット曲、「碧いうさぎ」は40代以上の方にとってはカラオケの定番曲ですね。
キャッチーなメロディでキーも低いので、声が低い女性にとってかなり歌いやすいのではないでしょうか。
90年代屈指のヒットメーカーである織田哲郎さんが手掛けただけあっていかんせん曲が良いです!
TOMORROW – 岡本真夜(1995年)
シンガー・ソング・ライター・岡本真夜の「TOMORROW」は1990年代中盤の大ヒットソングとして有名です。
曲のリリースが阪神・淡路大震災の後だったこともあり、復興へ向けた応援ソングとして位置付けられた、明るい歌詞と曲調が素敵な曲です。
メロディが簡単で音域も広くなく、最高音も低めなのでかなり歌いやすいですよ!それに、有名曲なのでカラオケで歌うと皆で歌って盛り上がれるかもしれませんね!
渡良瀬橋 – 森高千里(1993年)
森高千里の「渡良瀬橋」は2004年に松浦亜弥がカヴァーしたことでリバイバルヒットした定番曲です。
音域が広くなくキーも低めなので、しっとりと優しい声で歌い上げられたら周りに聴き入ってもらえるタイプの曲ですよ。
声が低い女性でも歌いやすいカラオケの定番曲・人気曲:1980年代の曲
夢をあきらめないで – 岡村孝子(1987年)
あみんとしてデビューした岡村孝子の「夢をあきらめないで」は80年代を代表する応援ソングです。
音域が狭めでゆったりとした爽やかな曲調なので低い声の女性にとっても歌いやすくおすすめの一曲です。
DESIRE – 中森明菜(1986年)
中森明菜の代表曲のひとつである「DESIRE」は80年代を代表するヒットソングです。
今回紹介している曲の中でもかなり音域が低いので、、低い声の女性にとって歌いやすいのではないでしょうか。
さらっと歌ってしまうと平坦になりがちなのである程度しっかり、どっしりと歌うよう心がけてみると良いでしょう。
カラオケで歌う際はぜひサビで合いの手を入れてもらえるよう周りをあおってみましょう。
演奏の仕事でも定番曲となっていて、いつもかなり盛り上がるのでぜひ持ち歌にしてみてくださいね!
タッチ – 岩崎良美(1985年)
岩崎良美の「タッチ」は最も有名なアニメソングと言っても過言ではない有名曲です。
キーがあまり高くなく、テンポもほど良く早いので歌う際はぜひ元気よくノリノリになってみましょう。
恋におちて – 小林明子(1985年)
小林明子の「恋におちて」はピアノが綺麗なバラードソングです。
よくテレビのカラオケ番組でも歌われているので若い方でも聞き覚えのある方が多いのではないでしょうか?
全般的にキーが低く、裏声で歌うような場所も出てこないのでかなり歌いやすいですよ。
ただし、2番は英語の歌詞が出てくるので詰まらずに口ずさめるように練習してみてくださいね。
元気を出して – 竹内まりや(1984年)
竹内まりやの代表曲である「元気を出して」。
曲のキーも低めで、高い箇所もほぼ出てこないので非常に歌いやすいかなと思います。
優しくしっとりと歌い上げられたら周りに聴き入ってもらえるかもしれませんよ!
飾りじゃないのよ涙は – 中森明菜(1984年)
今回が2回目の登場となる中森明菜!低音ボイスの代名詞となっているだけあって、低い声の女性がカラオケで歌うのにぴったりな曲が色々とあるのが魅力的ですね。
低い声でどっしりと、そしてパワフルに歌えると中森明菜のように妖艶でカッコ良い雰囲気が出せるようになるはずです。
あまりに低すぎる場合はキーを少し上げて歌ってみましょう!
ルージュの伝言 – 松任谷由実(1983年)
「ルージュの伝言」はユーミンが荒井由実名義の時期の代表曲です。1983年の古めな曲ですが、映画「魔女の宅急便」の主題歌として起用されているので多くの方がご存知かなと思います。
サビはやや高めではあるものの、地声で張って歌うよりも裏声で軽めな声で歌う方が似合う曲なので、声が低い女性でも歌いやすいはずです。
ラヴ・イズ・オーヴァー – 欧陽菲菲(オーヤン・フィーフィー)
欧陽菲菲(オーヤン・フィーフィー)の「ラヴ・イズ・オーヴァー」は低い歌声が映えるバラードソングです。
この曲はキーが低めな曲の中でも特にどっしりと歌わないと雰囲気が出ず軽い感じになってしまいます。
声が胸や首に響くイメージで歌うと良いでしょう。
声が低い女性でも歌いやすいカラオケの定番曲・人気曲:1970年代の曲
オリビアを聴きながら – 杏里(1978年)
杏里の「オリビアを聴きながら」は発売から40年以上経っているものの、今でもカラオケで良く歌われている昭和の名曲です。
この曲はテンポがゆったりしていてメロディの移動も激しくなく、高い音は出なければ裏声で歌っても違和感のない雰囲気なので低い声の女性におすすめですよ。
時代 – 中島みゆき(1976年)
「時代」は中島みゆきの代表曲のひとつです。テレビのCMや、サザンの桑田佳祐、夏川りみなどがカヴァーしているので耳にしたことがある方が多いのではないでしょうか?
高い音が少なく、テンポもゆったりとして落ち着いた雰囲気なので声の低い女性にとって歌いやすい一曲です。
卒業写真 – 松任谷由実(荒井由実)(1975年)
ユーミンの幾多の名曲の中でも特に有名なのが「卒業写真」です。音楽の教科書にも載っているほどなので曲を聴けば口ずさめる方が多いのではないかと思います。
この曲は音域がかなり狭く、キーも低めでテンポもゆったりしているのでかなり歌いやすいですよ。
なごり雪 – イルカ(1974年)
「なごり雪」は、元々かぐや姫の楽曲ですが、イルカによるカヴァーが大ヒットしたこともあって昭和を代表する曲となっています。ビギンや秦基博のカヴァーで存在を知った方もいるのではないでしょうか?
昭和のフォークソングなのでメロディの起伏が激しくなく、テンポもゆっくりなので歌いやすい曲ですよ。
まとめ
いかがでしたか?今回は声が低い女性でも歌いやすい人気曲・名曲を厳選して紹介してみました。
今回紹介した曲は、いずれも私がボイストレーニングの現場で声が低い女性や、歌やカラオケが苦手な女性の生徒さんにもおすすめしているものです。
こちらの記事も参考にして、カラオケで上手く歌えるよう練習してみてくださいね!
男性曲を歌うのもアリです!
ここまで30曲を厳選して紹介してきましたが、これら以外にも声が低くても歌いやすい曲はたくさんあります。
それは「男性曲」です。ただし、最近のアーティストの楽曲は女性でも出せない位の高い声で歌うこともしばしばあります。ですので、音域や最高音に合わせてあなたの声に合ったキーに変更して歌うのがコツです。
裏声をあなたの武器にしよう!
今回取り上げた楽曲の中には絢香や矢井田瞳、ユーミンのように裏声を武器にして上手に歌うヴォーカリストもたくさんいます。最近ではAimer(エメ)やmiwa(ミワ)が良い例ですね。
裏声の練習をすることで首やのど周辺の力が抜けやすくなり、地声の高い声を出しやすくなる効果もあるので裏声の練習をしてみることをおすすめします。
声が低い=短所、ではなく才能です!
声が低めな方は高音が得意なヴォーカルの曲が溢れる昨今、歌えそうな曲が少なくてコンプレックスを抱いている方はとても多いです。
しかし、低い声というのは高い声とは違って、練習したからといってほとんど音域は変わりません。ということは、声が低めというのは高い声以上に、一つの「才能」とも言えるのです。
声が低めな人は、声が高めな人よりも落ち着いていて奥行きのある声質である場合が多いです。
そういう声質の方がより歌に説得力があり、直感的に人が歌声を聴いて魅力的に思う傾向があるので、声が低めであることをぜひポジティブに捉えていただき、今回特集した曲で歌を楽しんでもらえれば幸いです。
そして、もし興味があれば低い声を出しやすくする練習方法についての記事もご覧になってみてくださいね。