
こんにちは!ボイストレーナーのまっすーです。
そのお悩み、解決します。
本記事の内容
- そもそも喉を開くとは?
- 喉を開く効果
- 喉を開く方法
- 喉を開く練習&発声方法
本記事の筆者
この記事を書いている私は、これまでにプロ・アマ問わず100名以上のボイストレーニングを手がけてきた現役のボイストレーナーです。大手音楽教室のレッスンカリキュラム企画・立案などにも携わっていました。
今回は、歌を上手く歌う上で重要な、「喉を開く方法や練習方法」についてお話ししていきます。
ボイトレのあらゆるトピックの中でも、喉を開く方法や練習方法は最も抽象的で分かりにくい話題のひとつです。しかし、喉を開く仕組みが分かり、喉を開くことが出来るようになれば、歌を上手く歌えるようになります。また、話し声も良くなります。
実際、私も喉の開き方を練習して覚えたおかげで、1日に20曲以上歌うハードなステージや半日ぶっ通しのボイトレレッスンも平気でこなせるようになりました。
歌が上手く歌えない方、声を出していて疲れやすい方はこの記事を読んで喉を開くことが出来るか、ぜひ試してみてください。最初は慣れなくて大変かもしれませんが、少しずつ感覚が掴めてくるはずです。
それでは、前置きはここまでにして早速本題に入ります!
そもそも喉を開くとは?

喉が開いているとは、喉がリラックスしていて、口の空間が広がっている状態のことを指します。
専門的な定義としては「軟口蓋が上がり、喉仏が下がった状態」です。
- 軟口蓋:のどちんこがある、上あごの奥側にある柔らかい部分。
→舌で上の歯の裏側から奥に向かってなぞっていくと、
途中からやわらかくなっていく部分がありますね。この部分のことです!
この2つの動きについて見ていきましょう。
軟口蓋を上げる
まずは軟口蓋(なんこうがい)の位置を確認していきましょう。軟口蓋はのどちんこが付いている、口の中の上の奥側の部分です。舌を上側の前歯の裏側に当ててみてください。
次に、舌を口の中につけながら奥に向けてゆっくりとなぞっていきます。すると、口の中の真ん中あたりを境にやわらかくなっていきますよね?この部分が軟口蓋です。
位置を掴んだら、改めてあくびをしてみましょう。すると、上に持ち上がる感じがしたかと思います。
慣れると歌いながら常に軟口蓋のあたりを持ち上げられるようになっていきます。声を出す際、常に口の中を大きく開けるよう意識することで持ち上がりやすくなります。
喉仏を下げる
次に喉仏(のどぼとけ)の位置を確認していきましょう。喉仏は、首のちょうど真ん中あたりに位置する骨の部分です。
まず、アゴに人差し指を置き、ゆっくりと首に向かってなぞっていってください。女性は分かりにくいかもしれませんが、次の手順を繰り返すうちに位置が掴めるようになるので心配ありません。
次に、喉仏の位置に指を置いたまま、つばを飲み込んでみましょう。喉仏が一旦上がり、飲み込んだあとで下がっていきますよね。
喉仏を下げる動きだけを取り出して行うのは、慣れるまでに戸惑う方もいらっしゃいます。
しかし、喉仏を下げることで喉を開くことができるので、このあと紹介する練習を通して少しずつ喉仏を下げる動きに慣れていきましょう。
喉を開く効果

楽に声を出せるようになる=疲れにくくなる
喉を開くことで、口の中の空間(口腔/こうくう)が広がります。また、同時に舌の根元のあたり、喉仏に近い空間(咽頭腔/いんとうくう)も広がります。この空間のことを「共鳴腔(きょうめいくう)」と言いますがざっくりと「声が響くところ」と捉えていただければ大丈夫です!
口腔と咽頭腔が広がることで、声帯の振動によって出来た「声の素となる音」が身体に上手く反響し、楽に声を出せるようになるのです。
また、楽に声を出せることで喉が疲れにくくなるので、カラオケやライブで長時間歌えるようになります。
共鳴腔については、下記の記事にて詳しく解説しています。
- 共鳴腔:身体の中で声が反響する空間のこと。
- 口腔:口の中の空間のこと。
- 咽頭腔:口の奥から喉にかけての空間のこと。
芯のある大きな声を出せるようになる
喉を開くことで息の通り道が広がるため、たくさんの息を一度に吐き出すことが出来、大きな声を出せるようになります。
また、喉を開くことで声が豊かに共鳴するため、芯のある声を出せるようになります。
芯のある声というのは、歌に限らず日常会話でも説得力のある声、声の向かう先が明確な声に聞こえます。大きな声を出すのがニガテな方は、声を出すとき、無意識に喉を閉じ気味にして喉声で話してしまう傾向があります。喉を開く練習をすることで話し声が良くなりますよ!
抜けの良い、明るい音色の声を出せるようになる
のどや口の中が開けていることで、声がしっかりと共鳴し、抜けの良い音色や明るい音色の声を出るようになります。
声が通りにくいと思っている方の中は、実は声量というよりも音色が暗いために声が通りにくくなっている方が多いです。
抜けの良い、明るい音色の声というのは、こちらも歌に限らず日常会話でも元気な印象、快活な印象を与えることが出来るので、あなたのイメージが変わるかもしれませんね。
喉を開くことは、良い声を出す上でとても重要であることがお分かりいただけたかなと思います!
- 楽に声を出せる=疲れにくくなる
- 芯のある声、大きな声を出せるようになる
- 抜けの良い、明るい音色の声を出せるようになる
- 歌声だけでなく、話し声も良くなる
喉を開く方法


ここからはいよいよ「喉を開く方法」を具体的に紹介していきます。
喉を開く感じが最も分かりやすいのが「あくび」です。
あくびをするイメージをしてみましょう。そして、あくびをするフリをしてみてください。本当のあくびが出たら最高です!
「ふわぁーーー」
となる際、口の中の奥側が持ち上がる感じや、のどのあたりがスースーする感じ、息の通りが良い感じがしませんか?
あるいは喉仏が下がる感じ(こちらは男性の場合、喉仏が出ている方が多いので目視できます)がしたかと思います。こういった感覚こそが、喉を開く感覚なのです。
舌を下げる動き、舌の柔らかさが実は重要です!
ところで、あくびをする際、実は舌の根元が下がっていることに気づきましたか?舌が下がることによって、喉周辺の空間が広がるため、舌の動きをスムーズにする練習は喉を開ける上でとても重要です。
舌の動きをスムーズにする最強の練習方法は「リップロール」です。詳しくは「【誰でも出来る!】リップロールの効果とやり方・コツ・練習方法」にて解説しているのでぜひチェックしてみてください!
喉を開く練習&発声方法


ここでは、喉を開くための練習方法をいくつか紹介します。実際に声を出しながらぜひチャレンジしてみてくださいね!
笑う!
・・・先生!ボイトレ教えてくださいよ!!笑
ボイトレをしているとたまにこんなツッコミを食らうのですが、その時生徒さんはたいてい喉を開いた良い声でツッコんできます(笑)
実は、人は笑う時に力が抜けて口の中や喉が大きく開くようになっているのです。好きなバラエティを見たり、友人や家族、恋人とおバカな話で盛り上がる時、思わず大きな声で笑ってしまうことがありますよね?私たちにとって一番良い声は「一番素が出ている」笑い声なのです!
最近大声で笑いましたか?
もし大声で笑った記憶がなかったら今すぐこのページを閉じて、あなたがゲラゲラ笑って話せるような人と会うか、テレビや動画を見て心をゆるめましょう。もしかしたら、笑うことは喉を開く感覚を掴むための最良の方法かもしれません。
そう思うから、私はレッスンで笑いが起きるよう、あの手この手でコミュニケーションをするよう心がけています!
先生にツッコめるくらい、ちゃんとコミュニケーションを取って仲良くなれていたら、歌う時も変に硬くならずに声が出やすくなりますしね。本当に笑いは大事ですよ!
舌出し発声
これは舌の力を抜きつつ、長い舌の適度な置き場所や力感をつかむための練習です。
まず、舌を「べーーー」と、なるべく口の外へ向けて突き出してみてください。
次に、舌を出したまま力をゆるめて「あーーー」と、出しやすい高さで声を出してみてください。
そして、ここで舌を出したままあくびをしてみましょう。するフリで大丈夫ですからね!
あくびの形を保ったまま再び「あーーー」と声を出すと・・・
あら不思議!口の中が持ち上がったり、奥の方が広がったまま声が楽に出たのではないでしょうか?舌の位置や力感が変わることで、口の中や喉の空間が広がり、声を出しやすくなるのです。
割りばし発声
これは歌の世界で昔からある練習方法です。
まず、お手元に割りばしを一膳、準備してください。
次に、割りばしを割って口に入れ、奥歯で軽く噛んで固定させてください。
そして、「あーーー」と、出しやすい高さで声を出してみましょう。
なんだか楽に声が出ませんか?喉がギュッとならなくなったらバッチリです!
割りばしを噛むことで、舌が奥に詰まらなくなるのでやはり口の中や奥が開けた状態となるのです。
ボイトレグッズで発声練習


割りばしと同様の練習が出来るボイトレグッズは割りばしを使った発声よりもおすすめです。なぜなら、ボイトレグッズを使った方が練習のバリエーションが広がるのと、割りばし発声法はエコでないからです。
喉を開く発声に役立つ最もおすすめなボイトレグッズは「Be-Vo (ビーボ) 」です。
色々なボイトレグッズの中で最も素材が分厚く、発声練習時にくわえやすいのと、割りばし発声法を推奨するヴォーカル教室が監修しており、単品とは別に発声練習用CDがセットになったものも販売されているからです。
まとめ:喉を開く方法を覚えて発声上手を目指そう!


今回は、喉を開く方法と喉を開ける発声&練習方法をご紹介してきました。
歌の初心者や喉を開く方法が分からない方でも、本記事の手順に沿って喉を開く練習することで、口の奥が開いたり喉仏が下がる感覚、良い声が出る感覚が徐々に掴めます。
喉を開くことで大きな声、通る声が出しやすくなり、歌が上手に歌えるようになります。
喉を開くことが出来ると話し声が良くなって仕事に活きます!
また、話し声も良くなったり、声を出し続けていても疲れにくくなります。
私の生徒さんの中には、コンサルタントやセールスパーソン、経営者といった人前で話す機会が多い方々がいます。そんな方々は歌声だけでなく話し声が良くなったことで、仕事にも良い影響が出ていると満足して頂けています。中には「声が良くなるから!」ということで、知人や部下を紹介してくださる方もいるほどです。
喉を開く方法を覚えた方は、腹式呼吸のやり方を覚えることでさらに声を出しやすくなりますよ。下記の記事で解説します。