決して退屈でもなければ眠気も催さない。ただただ静謐な時間だけが流れていき、こちらは映されるがまま話を追っていく外ない。小さい頃は父親が好きだった少女が年を重ねるにつれてそうでなくなっていった、なんていう平たい話でもない。少女の目線から物語は紡ぎ出されるものの、父親や母親をはじめとする家族の変容が多層的に描かれていて、その伏線を張るのが上手い。
ただ、込められたであろうもの引き出すにはこちら側にも前提知識や映画へのリテラシーが求められる。どこかのロシア映画のように冗長で小難しくはないのだけれど、一度見ただけではどうも掴みきれなかった。明らかに「いい映画」だということは佇まいから明らかなのだが、また再度見たい。
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