1980年代R&Bの名盤と名曲・有名曲おすすめ30選!

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1970年代に音楽的な最盛期を迎え、主流であったニューソウルを筆頭に、ファンクやディスコミュージックが流行り、その勢いのままに1980年代に突入しました。

1980年代中盤までメインストリームであったブラックコンテンポラリーと称される、洗練されポップな感覚に富んだ音楽が王道のポップスへ接近していく一方、人気が陰っていったファンクやディスコミュージックのエッセンスを取り入れたアーティストやプロデューサーが、ヒップホップやストリートカルチャーの要素を盛り込みながらニュー・ジャック・スウィングを打ち出した時代です。

また、楽器や音楽機材という観点から見ると1980年代はアナログからデジタルへ移行する過渡期でもありました。デジタルドラムやシンセベース、シンセサイザーの登場や活用により生楽器が織りなす存在感やグルーヴが淘汰されていく一方、生楽器とデジタル楽器の棲み分けやバランスに注力したアーティストも多数いました。

今回は、ボイストレーナーを務めながらAOR/ソウル系バンドで活動もしている私が、1980年代R&Bのおすすめアーティストと名盤・名曲を紹介していきます!あなたもこの記事を読めばきっと1980年代R&Bの虜になるはず!

1970年代R&Bの名盤と名曲・有名曲おすすめ30選!

3月 8, 2020

目次

1980年代R&Bは4つのジャンルに分けて捉えると分かりやすい!

1980年代のR&Bはディスコミュージックやファンクが衰退していった時期であると共に、主義主張や精神性を重要視したニューソウルが時代の潮流と共にメロウでスイートなブラック・コンテンポラリーへ変容していった時期でもありました。

そして、ブラック・コンテンポラリーが食傷気味になってきた80年代後半に大流行となったニュー・ジャック・スウィング。

本記事では1980年代R&Bを「ディスコ・ミュージック」、「ファンク」、「ブラック・コンテンポラリー」、「ニュー・ジャック・スウィング」の4つに大別して、アーティストごとのおすすめ名盤と名曲・有名曲を紹介していきます!

ディスコ・ミュージック

「踊らせる音楽」として70年代〜80年代初頭にかけて流行ったのがディスコ・ミュージックです。

ファンクやソウルミュージックから影響を受けたサウンドはポップでキャッチーなメロディ、4つ打ちを基調とした分かりやすいリズムパターン、そこに派手なストリングスやホーンセクション、シンセサイザーが折り重なっているのが特徴的です。

音楽的には1980年代初頭にブームが終焉し、後ほどご紹介するブラコンを中心としたポップなR&Bの楽曲がディスコで流れたわけですが、ここではそんな80年代初頭に爪痕を残したディスコミュージックの代表格を2組ご紹介します。

Kool & The Gang(クール・アンド・ザ・ギャング)

クール・アンド・ザ・ギャングはディスコ・ミュージックを代表するバンドです。初期はリード・ヴォーカルが不在でファンクを中心としたインスト曲を主に繰り出していました。

70年代中盤にファンク・バンドとして人気を博した後、70年代末にヴォーカリストとしてジェイムス“JT”テイラーを迎えてからポップでメロウで都会的な踊れる曲を打ち出してヒットソングを連発するようになりました。

Celebration(セレブレーション)

陽気なダンスナンバーにしてバースデーソングとして親しまれているのがクール・アンド・ザ・ギャング最大のヒット曲である「セレブレーション」です。

シンプルなビートに分厚いコーラス、カッティングギターが冴え渡るこのストレートなディスコソングはバンド初の全米チャート1位に輝きました。

Earth, Wind & Fire(アース・ウインド&ファイアー)

アース・ウインド&ファイアー(以下「EWF」)はR&Bやファンクを中心に、ジャズやラテンの要素も取り入れながらその音楽性を目まぐるしく変えつつ70年代から80年代前半にかけてのR&Bを牽引していった偉大なバンドです。

迫力あるホーン・セクション、キャッチーなメロディやサウンド、後のディスコミュージックの立役者となるようなカジュアルに楽しめる楽曲は日本人にも人気が高く、未だにあらゆる場所でEWFの曲を耳にします。

Let’s Groove(レッツ・グルーヴ)

「レッツ・グルーヴ」は当時最新鋭の楽器であるシンセサイザーやボコーダーを駆使したサウンドを武器に、既存のファンクやジャズのミクスチャーとも言える音楽性に新たな要素を織り交ぜた楽曲です。

EWFの音楽からすると「本流」とは言いがたいものの、彼らの良さは時代ごとに変遷しながら音楽性が変化する柔軟性にあります。個人的には70年代中盤頃のサウンドが好みですが、音楽的には70年代後半〜80年代初頭にかけての狙って名曲を量産出来た時期の方が優れているのかもしれません。

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1月 5, 2020

ファンク

ファンクはあらゆるブラックミュージックの中でも特にグルーヴ感や粘っこさを追求した音楽ジャンルです。

ファンクのサウンドには16ビートの細かいリズムと中毒的なまでに反復されるフレーズ、ブリブリにうねったベース、チャカチャカと小刻みなサウンドのリズムギターに分厚いホーンセクションなど、黒人音楽のコアな部分が色濃く現れています。

そんなファンクは1980年代に入るとディスコサウンドを採り入れたディスコファンク、最先端のシンセサイザーやボコーダーなど電子楽器を駆使したエレクトロファンクといったものへシフトしていきます。

しかし、80年代中盤以降はヒップホップやニュー・ジャック・スウィングといった新機軸の音楽ジャンルの台頭によって失速していきます。

とはいえ、ファンク畑のアーティストや楽曲がヒップホップ、ハウス、アシッドジャズといったあらゆる音楽へ影響を与え、2010年代以降にアメリカで再評価されたり、日本でもスガシカオや星野源といったアーティストがファンク色を醸し出すなど現在に至るまで人気を博しています。

Prince(プリンス)

ファンクを土台としたサウンドにロックやサイケデリック、ヒップホップなど、あらゆるジャンルの音楽を織り交ぜた80年代R&Bを代表するアーティストです。

ヴォーカルだけでなく、ギター、キーボード、ベース、ドラムなどをこなすマルチプレイヤーであり、作詞・作曲から編曲、プロデュースまで、音楽制作の全工程を手がけるという鬼才が繰り出す楽曲や表現の豊かさは他の追随を許しません。

Purple Rain(パープル・レイン)

プリンスにとって一番の代表曲であり、アメリカン・ポップス、R&Bの歴史に燦然と輝く名曲が「パープル・レイン」です。

ファンク、ロック、ブルース、R&B etc…。あらゆるジャンルの音楽をクロスオーバーさせながら唯一無二の楽曲を生み出してきたプリンスの凄まじさが最も凝縮されているのがこの曲です。

ここまでエモいギターを弾けるギタリストがどれだけいるか。
ここまで自己陶酔しきれるヴォーカリストがどれだけいるか。
絶対的な名曲の存在感に引けを取らないアーティストがどれだけいるか。

この曲を通してプリンスのファンクっぷりは分かりにくいかもしれませんが、リズムの海を綺麗に泳ぐような表現はR&Bというより「ファンク」。ファンクそのものなのです。

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2月 17, 2020

S.O.S. Band(エス・オー・エス・バンド)

80年代のエレクトロファンクを牽引したバンドのひとつ、SOSバンド。

ファンクの持ち味であるアクの強さはさほど持ち合わせていないように見える反面、ヴォーカルのMary Davis(メアリー・デイヴィス)の透明感あるソフトな歌声ゆえにファンキーなプレイが冴え渡るアップテンポもスローバラードも上質なポップスに昇華されるという稀な特性を持ち合わせています。

1983年以降のアルバムでは、後々になりJanet Jackson(ジャネット・ジャクソン)のプロデュースに成功し、90年代を代表するプロデューサーとなるジャム&ルイスこと「Jimmy Jam & Terry Lewis」を起用してスターダムを駆け上がりました。

Take Your Time Do It Right(テイク・ユア・タイム・ドゥ・イット・ライト)

ここで推したいのはそんなジャム&ルイスとタッグを組む前のバンド最大のヒット曲「テイク・ユア・タイム・ドゥ・イット・ライト」です。

R&Bチャート1位に輝いたこの曲は7分以上に及ぶ長尺の中でブリブリなベースとソリッドなカッティングギターが冴え渡るオーセンティックなバンドサウンドが堪りません!

ソフトな歌い回しの中で時折パンチの効いたフレーズも交えるヴォーカルも見逃せません。

Rick James(リック・ジェームス)

1980年代のソウル、ファンク・シーンを牽引したリック・ジェームス。

卓越したソングライティングのセンス、ベース以外にもあらゆる楽器をこなしプロディーサーとしても名を馳せた天才にして端正なルックスや独特の色気やキャラクターが特徴的で、ファンクのみならず後世の音楽シーン全般に影響を与えました。

その反面、ドラッグ、暴力、訴訟といったスキャンダルまみれで破天荒な一面もありました。しかしながら、アーティストとしての才能が上回ったのか、音楽に救われるような形で生涯を過ごした稀有なアーティストでもあります。

Super Freak(スーパー・フリーク)

5枚目のアルバム「ストリート・ソングス」に収録されている「スーパー・フリーク」は特徴的なベースラインやノリノリのリフ、セクシーな雰囲気漂う名曲です。

この曲はのちにM.C.ハマーが「U・キャント・タッチ・ジス」でサンプリングするなど、ヒップホップ系のアーティストへも影響を与えました。

Cameo(カメオ)

最大13人を誇る大所帯ファンクディスコバンドから5人組エレクトロファンクバンドへと移行し、都会的なヒップホップと既存のファンクを織り交ぜた雰囲気が特徴的なカメオ。

ファンク全盛期に生き残り、コテコテなグルーヴやラリー・ブラックモンのヴォーカル、奇抜なファッションは80年代のギラギラしたものを感じざるを得ません。

Word Up(ワーズ・アップ)

80年代後半に人気を博した「ワーズ・アップ」。踊らせるのに最適な遅めなテンポ、シンプルなリズムトラックにねっとり纏わりつくようなファンキーな雰囲気が魅力的な名曲です。

この曲は元スパイス・ガールズのメルB、ハードロックのKorn(コーン)など、あらゆるジャンルのミュージシャンによってカヴァーされています。

Midnight Star(ミッドナイト・スター)

ミッドナイト・スターは、エレクトロ・ファンクの旗手として80年代に人気を博したバンドです。

彼らの特徴はボコーダーやシンセサイザーといったデジタルサウンドを駆使しながらも、ファンクの矜恃とも言えるグルーヴや重厚感をバンドサウンドで前面に打ち出した点にあります。「演奏」という、これまでの音楽の前提にあった行為を取り払ったヒップホップが台頭する中、ファンクのエッセンスを保ちながら最先端のサウンドを取り入れ一斉を風靡した点において偉大なアーティストと言えるでしょう。

No Parking On The Dance Floor(ノー・パーキング(オン・ザ・ダンス・フロア))

ミッドナイト・スターの最高傑作と言われるアルバム「ノー・パーキング・オン・ザ・ダンス・フロア」のタイトル曲は彼らの代名詞とも言えるボコーダーやシンセサイザーを駆使したエレクトロファンクのヒットナンバーです。

現代から遡って聴くとその真新しさを感じにくいかもしれませんが、逆に1970年代後半〜1980年代初頭にかけてのR&Bをさらっとおさらいしてから聴くことでこのサウンドの斬新さとファンクが持つ普遍性の両方が解き放つパワーに圧倒されること間違いありません!

ニュー・ジャック・スウィング

ニュー・ジャック・スウィングを半ば無理やり一言で説明するならば「ヒップホップやトラディショナルなR&Bを融合させた」音楽ジャンルです。ニュー・ジャック・スウィングはどこからともなく自然発生したわけではありません。

70年代後半に登場し80年代中盤以降に台頭したヒップホップ文化の勢いと、70年代後半〜80年代初頭にかけて失速していったファンクやディスコミュージック、80年代R&Bのメインストリームとなったブラック・コンテンポラリー。ニュー・ジャック・スウィングの素地となる材料は大きくこの3つでした。

R&Bがアメリカン・ポップスの王道へ接近していった1986年、ジャネット・ジャクソンがジャム&ルイス(のちに名プロデューサーとなるコンビ)のプロデュースにより「コントロール」をリリースし、そこに既存のR&Bの要素にデジタル楽器の要素をふんだんに盛り込み新たなアレンジを武器に大ヒットしました。

1988年、プロデューサーのテディ・ライリーがヒップホップやラップ、ダンスに既存のR&Bをミックスさせ、デジタルドラムやシンセサイザーの音を中核に据えた自身の音楽を「ニュー・ジャック・スウィング」と掲げるようになり、、数々のアーティストの楽曲をヒットさせながらファッションやダンスへも影響を与え拡大していったのです。

その流れはメジャーアーティストへも波及しました。後にご紹介するボビー・ブラウンやジャネット・ジャクソンらはニュー・ジャック・スウィングの要素を盛り込んだことでスターダムを駆け上がり、全く別物であったR&Bとヒップホップが融合し、このブームは1990年代中盤まで続いたのです。

時が流れ2010年代、ブルーノ・マーズがリリースした「24K・マジック」にはそんなニュー・ジャック・スウィングの要素が取り入れられたことから再評価されつつあります。

ここでは80年代後半を彩るニュー・ジャック・スウィングの面々をご紹介していきます!

Keith Sweat(キース・スウェット)

諸説分かれるところですが、一般的にニュー・ジャック・スウィングはキース・スウェットから始まったと言われています。

独特なスイートな声質でバラードやゆったりとした楽曲を得意とする一方、自身もプロデュースを手がけるキース・スウェットはニュー・ジャック・スウィングの第一人者として80年代後半から90年代にかけて主に活躍し、これまでに発表したアルバムの総売り上げは全世界で2500万枚以上とされ、今でも人気を集めています。

I Want Her(アイ・ウォント・ハー)

デビューアルバム「メイク・イット・ラスト・フォーエバー」に収録されている「アイ・ウォント・ハー」は、テディ・ライリーがプロデュースし、ニュー・ジャック・スウィングの元祖と言われている80年代R&Bを代表する楽曲です。

歌声以上に存在感溢れるシンセのギンギンした音色と揺れるようなキース・スウェットの歌声が印象的です。アルバム自体の完成度が高く、80年代R&Bを知る上で欠かせない名盤となっています。

Johnny Kemp(ジョニー・ケンプ)

1980年代にキンキー・フォックス(Kinky Foxx)というファンク/ディスコバンドのヴォーカルとしてニューヨークで活動し、プロデューサーであるカシーフらと知り合ったことがきっかけでソロデビューしたジョニー・ケンプ。

後ほどご紹介するニュー・ジャック・スウィングの代表曲「ジャスト・ガット・ペイド」をヒットさせたのち、ゴスペル方面へ転身し、アンダーグラウンドな分野で活動していました。

Just Got Paid(ジャスト・ガット・ペイド)

ホイットニー・ヒューストンやケニー・Gといった有名アーティストを手がけたカシーフがプロデューサを務めたアルバム「シークレッツ・オブ・フライング」に収録されている、先にご紹介したキース・スウェットが作曲しテディ・ライリーがプロデュースを務めた「ジャスト・ガット・ペイド」。

清涼感溢れるライトなノリが特徴的なこの曲は、ビルボード最高10位を飾り、グラミー賞最優秀R&Bソングにノミネートされました。この曲を聴くとブルーノ・マーズとニュー・ジャック・スウィングとの相関性が直感的にハラ落ちするのではないでしょうか。

Guy(ガイ)

キース・スウェットやジョニー・ケンプのプロデュースを手がけたニュー・ジャック・スウィングの提唱者、テディ・ライリー自身のグループ、ガイ。

ゴスペル・シンガー上がりのアーロン・ホールとティミー・ガトリック、そしてテディの3人で活動開始したものの、メンバー間の衝突によってすぐに活動休止となってしまいました。

ゴスペル由来のパワフルなヴォーカルとシンセサイザーならではの存在感溢れるサウンドやグルーヴで、文字通りヒップホップとR&Bを融合させたところに彼らの意義があります。

I Like(アイ・ライク)

キース・スウェットやジョニー・ケンプの楽曲を手がけながらテディを中心にしてリリースされたファーストアルバム「ガイ」。アルバムとしてはダブルプラチナを達成し、個々の楽曲もR&Bチャートを沸かせ、いよいよニュー・ジャック・スウィングが「アンダーグラウンドでの試み」からメインストリームへのし上がる契機となったのです。

本作に収録されている「アイ・ライク」は彼らの代表作で、他の楽曲でも同様ですが打ち込みならではの存在感あるスネアの音、フィーリングのこもったサウンド、キャッチーなフレーズ、アーロンのクリアで伸びやかなヴォーカルが堪りません。

そしてなにより、ヒップホップ界では実績を積み上げつつあったテディがラップを用いずにヒップホップとR&Bを融合させたという点が何よりの見どころです。

Bobby Brown(ボビー・ブラウン)

ボビー・ブラウンは別途ご紹介しているニュー・エディションというボーイズグループから脱退し、ソロ活動を通して世界レベルのアーティストにまで成り上がった、ニュー・ジャック・スウィングの存在をメインストリームに引き上げた代表格です。

とはいえ、一般的には「一山当てたあとはホイットニー・ヒューストンのヒモ」という認識が多数派かなと思います。

アメリカのスターらしい、スキャンダラスな存在でありながらもアイコンとしての存在感、先見性に富んだサウンドセンス・・・当時のボビー・ブラウンの音楽性は確かなものでした。

My Prerogative(マイ・プリロガティブ)

1988年にリリースしたアルバム「ドント・ビー・クルエル(※リリース当時のタイトル通りに表記)」は、ニュー・ジャック・スウィングの旗手であり新進気鋭のプロデューサーであったテディ・レイリーやLA&ベイビーフェイスを一挙に起用し、ニュー・ジャック・スウィングにR&Bが持つポップな感覚を融合させながら斬新さを打ち出した80年代屈指の名盤です。

本作は世界中で1000万枚以上を売り上げ、8度のプラチナアルバムを記録、収録曲がこぞってチャートインした末に本人もグラミー賞最優秀R&B男性歌手に輝くなどし、社会現象となったほどでした。

そんな本作に収録されている「マイ・プリロガティブ」はテディ・ライリーがプロデュースを手がけた楽曲であり、この曲がシングルカットされ全米チャート1位を獲得するほど大ヒットしたことによってアルバムが爆発的にヒットしたのです。

KARYN WHITE(キャリン・ホワイト)

フュージョン系アーティスト、ジェフ・ローバーのバンドでヴォーカルを務めたのち、LAリードとベイビーフェイスのバックアップもあってソロ名義でデビューを飾り、80年代後半から90年代中盤にかけて活躍したキャリン・ホワイト。

キュートな歌声や美貌とキレキレで流行の最先端に立った斬新なサウンドの楽曲は根強い人気がありました。

のちにジャム&ルイスのプロデュースでアルバムをリリースし、「ロマンチック」で全米1位を記録したものの、その後テリー・ルイスと結婚し、表舞台から退いたというエピソードの持ち主でもあります。

 The Way You Love Me (ザ・ウェイ・ユー・ラブ・ミー)

LAリード&ベイビーフェイスのプロデュースによってリリースされたファーストアルバム「キャリン・ホワイト」に収録されている「ザ・ウェイ・ユー・ラブ・ミー」はビルボード最高7位を飾った80年代R&Bの名曲です。

当時、テディ・レイリーの独壇場と言っても過言でなかったニュー・ジャック・スウィングのフィールドに、テディのヒップホップ由来の雰囲気とは一味も二味も違った独特のハネるようなビートや情緒豊かなメロディライン、そしてジャズやフュージョン的な香りがそこはかとなく漂う歌い回しを持ち込み大人気となりました。

Janet Jackson(ジャネット・ジャクソン)

マイケル・ジャクソンも属したジャクソン・ファミリーの末っ子であり、1980年代後半というR&Bの変革期にジャム&ルイスをプロデューサーとして起用し、時代の先駆けとなるような雰囲気の楽曲を発表したことでスターダムを一気に駆け上がったのがジャネット・ジャクソンです。

ポップアイコンとしての存在感、楽曲の独自性が際立つ一方で、スキャンダラスな一面もあるため兄のマイケル・ジャクソン同様、日本ではまだまだ過小評価されている節があるように思えます。

ただ、彼女の音楽面や生き様は、ブリトニー・スピアーズやビヨンセ、リアーナ、安室奈美恵やAI、クリスタル・ケイなど、国内外の女性アーティストに影響を与えています。

Rhythm Nation(リズム・ネイション)

ジャネット・ジャクソンの成功は1986年にリリースされたアルバム「コントロール」に始まるのですが、ここでは1989年にリリースされ、ニュー・ジャック・スウィングの人気を決定付けた80年代R&Bの名盤「リズム・ネイション1814」に収録されている「リズム・ネイション」をご紹介します。

有名になったプロデューサー、ジャム&ルイスとタッグを組み、ニュー・ジャック・スウィングの「文脈」を取り入れた本作は、抜群のメロデイセンスやポップな雰囲気が圧倒的に秀でていたこともあり、本アルバムは全世界で1200万枚以上を売り上げました。

楽曲の良さだけに留まらず、マイケル・ジャクソンに通ずる切れ味抜群なダンスや社会問題にも切り込んだ点において特徴的であり、ジャネット・ジャクソンの代表曲として名高い楽曲となっています。

ブラック・コンテンポラリー

ブラック・コンテンポラリー(以下「ブラコン」)を正確に説明するのは非常に難しいです。

ここではブラコンがどんな音楽なのかについて、歴史面と音楽面に切り分けて簡潔にお伝えしていきます。

まず、ブラコンとは1970年代後半~80年代にかけて、70年代以前のソウルミュージックから現在のR&Bへ歌い回しや楽曲のアレンジ、傾向、ブランディング等々が変わりゆく中で確立され人々を熱狂させた、「80年代R&B=ブラコン」といっても過言でないほど時代の主流となったR&Bのジャンルのひとつです。

1970年代中盤以降、R&B全般が白人リスナーに受け入れられるようになると同時に、そのサウンドから黒人音楽の「アク」とも言えるグルーヴや粘り気のようなものが薄れ「洗練」されていきました。この洗練されたR&Bこそがブラコンの正体と言えます。

それを踏まえてブラコンの音楽性を見ていくと、まず音楽的にはドラムマシンやシンセサイザー、ボコーダーなど電子楽器を駆使した都会的でクールなサウンドと、主にAOR・西海岸系のスタジオミュージシャンを起用した繊細かつタイトなプレイが主な特徴と言えます。

またヴォーカル的には、70年代の主流であったソウルミュージックやファンク、ディスコミュージックに見られる黒人音楽ならではの「コテコテ」で粘りっ気のある歌い回しがマイルドになる一方、セクシーかつクールな歌い回しを基調としながら時折見せるファルセットやシャウト、フェイクでぐっと掴みにかかる歌唱スタイルが特徴です。

Marvin Gaye(マーヴィン・ゲイ)

60年代から80年代初頭にかけてR&Bを牽引したソウル・レジェンドことマーヴィン・ゲイ。

ゴスペル由来の包容力あるソウルフルな歌声と類稀なるコンポーザー・アレンジャーとしての才能を武器に70年代のメインストリームであったニューソウルの旗手としてスターダムを駆け上がりました。

しかしR&Bの主流は70年代後半以降、マーヴィン・ゲイを置いていくようにデジタルサウンドやグルーブ感や熱量を意図的に抑えたようなサウンドへ変化していきます。そんな中、晩年のマーヴィン・ゲイは大御所であり先駆者としての矜恃と圧倒的なサウンドセンスを見せつけ、まだぼんやりとしていたブラコンの方向性や雰囲気を規定するような楽曲を生み出したのです。

Sexual Healing(セクシャル・ヒーリング)

マーヴィン・ゲイの遺作となったアルバム「ミッドナイト・ラブ」に収録されており、シングルカットされ全米チャート最高3位を記録した「セクシャル・ヒーリング」。

マーヴィン・ゲイが到達した「最終地点」は、生演奏を通したアダルトで甘美的な音楽性を踏襲しつつも、当時のトレンドであった打ち込み系のサウンドと豪華なシンセの音色をふんだんに盛り込んだ音楽でした。

この曲に見られるリズムマシンのサウンドを活用したスタイルは、のちのR&B系アーティストが追随してブラコンの音楽的な特徴となりました。

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12月 31, 2019

Michael Jackson(マイケル・ジャクソン)

マイケル・ジャクソンは「キング・オブ・ポップ」と称される世界ナンバーワンのエンターテイナーです。

マイケルは数多くの楽曲を生み出すと同時に、歌やダンス、演出、演奏、映像等で世界最高峰のパフォーマンスで人々を熱中させてきました。

音楽的には旧来のR&Bにあった粘りっこいビートをシンプルなビートに置き換え、ストリングスやシンセサイザーで分厚いアレンジメントを施した点が特徴です。

Billie Jean(ビリー・ジーン)

「ビリー・ジーン」はアルバム「スリラー」に収録されたマイケル・ジャクソン最大のヒット曲です。

作詞・作曲ともマイケル自身が手がけ、1983年にシングル・カットされるとビルボートチャート・7週連続1位、年間2位を記録しました。

いかにも80年代風な、シンプルなドラムとシェーカーに8ビートを刻み続けるベースのリズムが堪りません!

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12月 18, 2019

Luther Vandross(ルーサー・ヴァンドロス)

ブラコンを代表する男性シンガーといえば最初にルーサー・ヴァンドロスが思い浮かぶ方が多いのではないでしょうか。

洗練された爽やかな歌声、アップテンポからバラード、ソロからデュエットまであらゆる楽曲、打ち込みのリズムトラックに拘りながらも当世No.1ベーシスト、マーカス・ミラーを重用し、打ち込みによる正確さと生演奏によるグルーヴ感の融合を追求したといった特徴があります。

Never Too Much(ネヴァー・トゥー・マッチ)

「ネヴァー・トゥー・マッチ」はルーサー・ヴァンドロスのデビューシングルで、全米チャート最高33位、R&Bチャートで1位をそれぞれ記録した80年代の名曲です。

70年代のR&Bと比較すると粘っこく熱量が高い演奏ではなく、フュージョンやAORのような爽やかかつテクニカルな演奏が機軸となっています。また、艶やかかつスイートな声質でシャウトをしない、都会的で洗練された歌唱を好むのもルーサーの特徴と言えます。

この違いこそが「ソウル」ではなく「ブラコン」と呼ばれる由縁なのかもしれません。

Lionel Richie(ライオネル・リッチー)

ルーサー・ヴァンドロスと双璧をなす、あるいはそれ以上に音楽界へ多大なる功績を残したのがライオネル・リッチーです。

別途ご紹介する人気バンド、コモドアーズのメンバーとしてデビューしたのち、ソロ活動を行いヒット曲を生み出す傍ら、コンポーザーとしてもケニー・ロジャースの「レイディ」やダイアナ・ロスとのデュエット曲「エンドレス・ラブ」が全米1位を記録し、その多彩さはマイケル・ジャクソンやプリンスらと肩を並べるほど凄まじいものがあります。

それゆえに、ライオネル・リッチーはR&B界にとどまらず、ポップスターとして世界中から支持されており、これまでに全世界でのトータルセールス累計1億枚以上を誇っています。

All Night Long(オール・ナイト・ロング)

1983年にリリースされたアルバム「オール・ナイト・ロング」は、全世界で累計売上2000万枚を超え、全米、全英、全豪のアルバム・チャートで1位を獲得、1985年の第27回グラミー賞では最優秀アルバム賞を受賞した80年代を代表するアルバム・楽曲です。

このスイートかつ軽快で色気がある曲調は唯一無二で、全米各地を旅していても、バーやクラブでしょっちゅう耳にするほど人気が高いようです。

DeBarge(デバージ)

1980年代R&Bの中でも兄弟グループとしてR&Bの名門・モータウンから輩出されたDebarge (デバージ)。

マイケル・ジャクソンが所属していた「ジャクソン・ファイヴ」としばしば比較され、スイートでメロウな歌声を武器に数々の名曲を生み出しました。

 I Like It (アイ・ライク・イット)

1983年にリリースされた「アイ・ライク・イット」はデバージ最大級のヒットソングです。日本でもクラブやレストランなどでしばしば耳にすることのある、ディスコ・スタンダード、クラブ・クラシックと言えます。

他の80年代のR&Bと比べると70年代のR&Bのように若干ハネたビートが特徴、この間合いとスイートでピュアなヴォーカルが織りなすグルーヴが堪りません!

ラストにかけての超ハイトーンのファルセット(ヴォーカルの世界ではヘッドボイスと言われます)も見逃せませんよ!

Commodores(コモドアーズ)

ソロ歌手としても有名なライオネル・リッチーが率いた、1970年代から1980年代にかけてR&B界を牽引したソウル・ファンクバンド、Commodores(コモドアーズ)。

R&Bの名門・モータウンを代表するグループとして70年代後半に「ブリック・ハウス」や「イージー」といったソウル、ファンクの名曲をリリースしたのち、次第に売れ線のキャッチーなポップスへ路線変更していったのが特徴です。

ここではそんな名曲を棚上げし、80年代にバンドとして最も流行った曲を取り上げます。

Nightshift(ナイトシフト)

1985年にリリースされた「ナイトシフト」は全米最高3位、グラミー賞最優秀R&Bボーカル・パフォーマンス賞を受賞した名曲です。

歌詞の内容は当時すでに亡くなっているソウル・レジェンド、マーヴィン・ゲイとジャッキー・ウィルソンを称えるもので、派手さはないものの美しく儚げな曲調が魅力的です。

The Isley Brothers(アイズレー・ブラザーズ)

ロックンロール全盛期の1950年代後半に結成されてから半世紀以上に渡り、ロックンロール、ゴスペル、ドゥワップ、ソウル、ファンク、ブラコン、R&B・・・ブラックミュージックの全てを取り込みながら第一線で活躍し続ける伝説のグループがアイズレー・ブラザーズです。

後にビートルズがカヴァーしたことで有名になった「ツイスト&シャウト」や無名時代のジミ・ヘンドリクスの起用、骨太で荒々しいグルーヴのファンク期、セクシーかつスイートな色気を放つブラコン期、どれも「アイズレー」なのですが80年代のアイズレーはファンク路線からブラコン(あるいはAOR)路線へ転換した時期でした。

Between the Sheets(ビットウィーン・ザ・シーツ)

1983年にリリースされたアルバム「ビットウィーン・ザ・シーツ(邦題:「シルクの似合う夜」)」のタイトル曲である「ビットウィーン・ザ・シーツ」は80年代アイズレーの一つの到達点です。

808を用いた打ち込みのリズムトラックと生演奏の組み合わせが生むグルーヴに官能的なファルセットが冴え渡るバラードは「メロウでスイートなアイズレー」のイメージそのもの。

派手さがない一方で熟練の職人が当時のトレンドを踏まえながら横綱相撲を取るような安定感や貫禄、存在感が圧巻という他ありません。

アニタ・ベイカー(Anita Baker)

ブラコンを代表する女性シンガー、また「クワイエット・ストームの女王」とも称されるのが80年代後半に活躍したアニタ・ベイカーです。

オールド・スクールなソウルミュージックの薫り漂う情熱的かつシルキーな声質や歌い回しに、ジャジーでムーディーな雰囲気、そして時代と逆光するような生演奏のバンドサウンドというスタイルは、80年代R&Bを「原点回帰」させるとともに、同世代のホイットニー・ヒューストンや後のトニー・ブラクストンといった女性アーティストへ大きな影響を与えました。

Sweet Love(スウィート・ラヴ)

アニタ・ベイカーの代表作、そして80年代R&Bの名盤としてR&Bフリークが必ず挙げるのがセカンド・アルバム「ラプチュアー」に収録されている「スウィート・ラヴ」です。

アニタの武器である低音を生かしたアルト・ボイスやムーディーで都会的なサウンドが魅力的なこの曲は日本でも人気でした。生演奏かつソウルフルな歌唱スタイルゆえ、80年代の音楽ながら70年代以前のR&B、ソウルミュージックが持つ温度やほとばしる情熱のようなものがひしひしと伝わってくるのが堪りません!

Whitney Houston(ホイットニー・ヒューストン)

R&Bの世界にはディーヴァと呼ばれる、ごく限られた超実力派のシンガーが歴代に渡って存在します。

アレサ・フランクリンに始まり、ダイアナ・ロスやマライア・キャリーへ流れる系譜はビヨンセへと行き着き・・・そんなディーヴァの象徴的存在こそがホイットニー・ヒューストンでした。

80年代を代表するスターであったホイットニーはアップテンポで踊れるような曲から魂を揺さぶるバラードまで、あらゆる曲調を圧倒的な熱量と表現力で歌いこなし世界に感動と衝撃を与えたものの、私生活は恵まれていたとは言いがたく、48才にして早逝してしまいました。

Saving All My Love for You(邦題「すべてをあなたに」)

1985年にリリースされたデビュー・アルバム「Whitney Houston(邦題:「そよ風の贈りもの」)に収録されている「すべてをあなたに」はスケール感が大きくホイットニーの情熱的かつスイートで緩急が利いた歌声を余すことなく堪能できる80年代R&Bの名曲です。

アルバム発売後、徐々に人気が出てじわじわと売れていった末にビルボード全米1位を獲得し、ゴールドディスクやプラチナディスク認定され、シングルカットされると15週連続に渡ってトップ40に、そして1985年の年間チャートでも5位を記録しました。

その翌年のグラミー賞では最優秀女性ポップ・ボーカル賞を獲得し、ホイットニーがスターダムを駆け上がっていくきっかけとなった名曲・名盤として世界中から親しまれています。

Sade(シャーデー)

ナイジェリア系のエキゾチックでクールな容姿とセクシーかつ洗練された低い声が魅力的なアデゥをヴォーカルに擁し、1980年代のイギリスの音楽シーンを揺るがすと共に、唯一無二な音楽性が世界へ大きなインパクトを与えたUKソウルバンド・ユニット、シャーデー。

ジャズともブラック・コンテンポラリー、あるいはUKソウルともつかない、どうにもこうにもカテゴライズしきれないアダルトかつ洗練された雰囲気に先述したアドゥのヴォーカルが特徴です。

シャーデーが80年代中盤以降に活躍して以降、そのサウンドやエッセンスが後のネオ・ソウルやUKソウルへ大きな影響を与えました。

Smooth Operator(スムース・オペレーター)

1984年にリリースされたファースト・アルバム「ダイヤモンド・ライフ」に収録されている「スムース・オペレーター」は80年代R&Bを代表する名盤・名曲です。

ブラックミュージックが持つ情熱や艶かしさを秘めながらも、少ない音数や洗練された雰囲気が入り混じったジャジーなサウンドとクールな女の色気を存分に纏ったアドゥのヴォーカルが冴え渡るこの曲は、四半世紀が経った今なお世界中で人気を誇っています。

このアルバムは全米最高5位、全英最高2位をそれぞれ獲得し、翌年にシャーデーはグラミー賞最優秀新人賞を獲得しました。

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Stevie Wonder(スティーヴィー・ワンダー)

スティーヴィー・ワンダーは1960年代から半世紀以上に渡って活躍し続け、R&Bの生き字引として音楽界を牽引するレジェンドです。

80年代においてもそのクリエイティビティは衰えるどころか進化を続け、常に新しく登場する音楽機材を誰よりも駆使しながら、斬新な音作りやアレンジを盛り込みながらも普遍性に富んだ名曲の数々を生み出しました。

低音から高音まで淀みなく滑らかに発声出来る音域の広さ、バラードからアップテンポまで、信じられないほどカッコ良く歌いこなす緩急や表現力etc…。本記事で登場するレジェンド達の中でもトップクラスの歌唱力は聴きごたえ抜群です!

Part Time Lover(パートタイム・ラヴァー)

ダンサブルな曲調が特徴的な「パートタイム・ラヴァー」はスティーヴィー・ワンダーが一人で全ての楽器を演奏・レコーディングしているのが特筆すべき点です。

今でこそ、音楽機材やテクノロジーの進化によってパソコンで手軽に音楽を制作することも可能ですが、パソコンどころか電子楽器のバリエーションすら乏しかった1980年代においてこのようなサウンドを打ち出すとは恐るべし!

全ての楽器の特徴や奏法を知識としても技術としても習得していないとそんなことは出来ません。それをやってのけるのがスティーヴィー・ワンダーの特筆すべき点です。

Chaka Khan(チャカ・カーン)

チャカ・カーンは1973年にファンクバンド、「ルーファス(Rufus)」のヴォーカルとしてデビューし、豊かな声量や突き抜けるようなハイトーンボイス、圧倒的な存在感を武器に「R&Bの女王」、「ファンクの女王」、「真のエンターテイナー」などと称され、ホイットニー・ヒューストンやメアリー・J.ブライジら後世の女性ヴォーカリストに大きな影響を与えました。

チャカ・カーンは70年代〜90年代にかけて特に活躍したのですが、80年代はソロアーティストとして活動し、数々の名曲を生み出しながらスターダムを駆け上がり、キャリアを通して10回もグラミー賞を果たしたほどです。

I Feel For You(アイ・フィール・フォー・ユー)

1984年にリリースされたチャカ・カーンのソロ名義のアルバム「フィール・フォー・ユー」に収録されているタイトル曲「フィール・フォー・ユー」は80年代のR&Bの名曲・名盤の中でも屈指の斬新さが特色の楽曲です。

まず、原曲はプリンスによるもので、チャカ・カーンはプリンスの大ファンであり、2人が同じレーベルだったこともありカヴァーが実現したのです。

また、当時としては異例の試みだった歌とラップのコラボについてはヒップ・ホップ界の有名グループ「グランドマスター&ザ・フューリアス・ファイヴ」のラッパー、グランドマスター・メリー・メルが参加し、話題となりました。

そして、デジタルサウンド主体のサウンドの中で存在感を放つハーモニカは本記事にも登場するR&Bのレジェンド、スティーヴィー・ワンダーによるものです。

ジャンルを超えたR&Bのレジェンド達のコラボと流行りのアレンジを絶妙なバランスで織り交ぜたこの曲はまさに80年代を代表する名曲という他ありません。

Freddie Jackson(フレディ・ジャクソン)

フレディ・ジャクソンは1980年代において、ルーサー・ヴァンドロスと共にブラコンを牽引した男性ヴォーカリストです。

ハーレムのゴスペル・クワイアで培った歌唱力は伊達でなく、甘く切ない雰囲気や包容力を武器にバラードを歌わせたら右に出る者はいないと評されていました。

Rock Me Tonight(ロック・ミー・トゥナイト)

スイートかつ洗練された都会的なデジタルサウンドにR&Bが持つ熱量を吹き込む様を堪能出来るのが1985年にリリースされたアルバム「ロック・ミー・トゥナイト」に収録されている表題曲「ロック・ミー・トゥナイト」です。

80年代中〜後半という、世の中が賑わっていた時代を彩る音楽として唯一無二の魅力を放っています。

Donna Summer(ドナ・サマー)

ロックバンドでの活動、ミュージカルの経験を経て1970〜80年代を中心に活躍し「ディスコの女王(Queen of Disco)」と称され、豊かな音楽性や素晴らしい歌唱力を武器に黒人女性シンガーで初めてグラミー賞ロック・ヴォーカル・パフォーマンス部門受賞を含むグラミー賞5回受賞したドナ・サマー。

マドンナやビヨンセ、レディ・ガガらに影響を与え、ディスコミュージックのみながらずロックやユーロビートの分野でも評価され、アメリカのブロード・ウェイでは本人の名前の舞台が長らく公開されているほどの重要人物です。

She Works Hard For The Money(邦題:情熱物語)

1983年にリリースされたアルバム「情熱物語」のタイトル曲「情熱物語」はロックとダンスブルなポップスを織り交ぜた80年代R&Bの名盤・名曲です。

ビルボード全米最高3位を飾り、ドナ・サマーにとって代表曲のひとつであるこの曲はAOR畑のプロデューサー、マイケル・オマーティアンを起用し、レイ・パーカー・ジュニアやジェイ・グレイドンら超一流のミュージシャンを招いて作られており、豪華なオーケストレーションや各音楽ジャンルが入り乱れたハイブリッドさは見逃せません。

George Benson(ジョージ・ベンソン)

ジョージ・ベンソンはジャズやフュージョン畑のミュージシャンで、ヴォーカリストとしてよりもギタリストとして語られることが多い人物です。

まるで歌っているような生き生きとしたギターソロを弾きながら、歌(スキャット)もギターの音色に寄り添うようにユニゾンさせるプレイが得意なジョージ・ベンソン。これはB.B・キングも得意としたブルースギタリストの常套句ですが、いかんせんジョージ・ベンソンの声は爽やかで作る曲も出てくるフレーズも爽やかなのが特徴です。

80年代のジョージ・ベンソンはブラコンの旗手としてポップな歌モノを多く手がけ、ヒットメーカーとしての地位を確立させていきました。

Give Me The Night(ギヴ・ミー・ザ・ナイト)

1980年にリリースされた名盤「ギヴ・ミー・ザ・ナイト」のタイトル曲「ギヴ・ミー・ザ・ナイト」は、前年にマイケル・ジャクソンの「オフ・ザ・ウォール」を手がけて「華麗なる復活」を遂げた名プロデューサー、クインシー・ジョーンズがプロデュースした作品です。

ジャズというよりはAORとブラコンの中間点に位置するような、4つ打ちのシンプルなビートにカッティングギターやゴキゲンなベースが光る爽やかながらも煌びやかなサウンドが心地良いですね。代名詞であるギターとユニゾンするスキャットも見逃せません!

New Edition(ニュー・エディション)

ニュー・エディションはジャクソン・ファイブや先にご紹介したデバージと通ずるグループです。

グループとしてヒットを連発しただけでなく、ボビー・ブラウンをはじめとしたメンバー全員がソロ名義でヒットを飾ったりプロデューサーとして大成したりした実力派が揃っていたのが特徴です。

そんなニュー・エディションの音楽性や活動スタイルはR&Bとヒップホップの接近やボーイズ・トゥー・メンのような、後世のR&Bシーンへ大きな影響を与えました。

Can You Stand The Rain(キャン・ユー・スタンド・ザ・レイン)

ニュー・エディションの数多くの名曲の中で今回取り上げるのは、ボビー・ブラウンの脱退後にリリースされたアルバム「ハート・ブレイク」に収録されているバラードソング「キャン・ユー・スタンド・ザ・レイン」です。

当時ジャネット・ジャクソンの名盤「リズム・ネイション1814」を手がけ、勢いに乗っていたジャム&ルイスがプロデュースを手がけ、各メンバーが青年期を迎え培った実力を遺憾なく発揮した本アルバムは80年代R&B屈指の名盤として全米最高12位、R&Bチャート最高3位を飾り200万枚以上の売上を誇っています。

その中でもこの曲はシンプルながらもメロディアスでソウルフルな歌声が美しく、グループならではの掛け合いやコーラスは唯一無二です。後にボーイズ・トゥー・メンがこの曲をアカペラコーラスでカヴァーしていることでも有名です。

Billy Ocean(ビリー・オーシャン)

ブラコンブームの流れに乗って80年代R&Bを象徴するアーティストのひとりとなったのがイギリス出身のビリー・オーシャンです。

暑苦しさを排除した打ち込みのリズムトラックやシンセサイザーのサウンドに都会的でスタイリッシュなサウンドを武器に、渋くスイートな歌声で数々のヒットソングを生み出しました。

Caribbean Queen(カリビアン・クイーン)

1984年にリリースされたアルバム「サドゥンリー」はアメリカやイギリスのみならず世界各国で大ヒットし、その中でもシングルカットされた「カリビアン・クイーン」はビリー・オーシャンの代表曲として高い人気を誇っています。

渋い歌声とカッティングギターにシンセサウンドが冴えるトロピカルかつ洗練されたアレンジは今聴いてもカッコ良いですね。

Diana Ross and Lionel Richie(ダイアナ・ロス&ライオネル・リッチー)

フランコ・ゼフィレッリ監督の映画「エンドレス・ラブ」と同タイトルの主題歌として世界中で大ヒットを果たしたデュエットソング「エンドレス・ラブ」。

18曲の全米ナンバーワンソングを持ち「R&Bの女王」と称され、R&B系アーティストの中で最も成功したと言っても過言ではないダイアナ・ロスと、R&Bを超越しポップス界のスターとして名曲を量産し続け、コモドアーズから独立したライオネル・リッチーによる豪華コラボは凄まじい化学反応を起こしました。

Endless Love(エンドレス・ラブ)

「エンドレス・ラブ」は全米シングルチャートで9週連続で1位、年間2位を飾り、今でも結婚式をはじめとしたイベントで度々耳にします。

ピアノのシンプルな演奏とスケール感を際立たせるオーケストレーション、気をてらわず極めてポップでキャッチーなメロディ、そして当世一代の歌手2人が情熱的に歌で絡み合う様は圧巻としか言いようがありません。

Cherrelle & Alexander O’Neal(シェレール & アレクサンダー・オニール)

ルーサー・ヴァンドロスのバックコーラスとして参加した後にデビューして1980年代に活躍したR&B歌手シェレールと、かつてプリンスに見出され、後に本国アメリカ以上にイギリスで人気を誇ったブラコンの代表格、アレクサンダー・オニールのコラボレーションも見逃せません。

2人は同じタブー・レコードに所属する仲で、2人とも後の名プロデューサーコンビ「ジャム&ルイス」が楽曲を手がけていたこともあってこのコラボが実現しました。

Saturday Love(サタデー・ラヴ)

1985年にリリースされた「サタデー・ラヴ」は80年代R&Bを代表するダンスクラシックとして広い世代から親しまれています。サビの「サンデー、マンデー、チューズデー、ウェンズデー、ツァーズデー〜」というキャッチーなフレーズや2人のセクシーでスイートにしてパワフルな歌声・・・、この曲を手がけるのももちろん!あのジャネット・ジャクソンを手がけた「ジャム&ルイス」でした。

さいごに

1980年代R&Bの名盤と名曲・有名曲を、アーティスト別に厳選して紹介していきました。文脈が分かりやすいよう、「ディスコ・ミュージック」、「ファンク」、「ブラック・コンテンポラリー」、「ニュー・ジャック・スウィング」の4種類に分けてその魅力をお伝えしていきましたがいかがでしたか?

黒人の音楽性の豊かさが証明されたことでメインストリームにより多くの黒人が登場し、楽器には「デジタル革命」と呼べるほど大きな変革があり、MTV人気によってPV(今で言うMV)がセールスに欠かせない武器となり、セールス媒体はレコードからCDへ移行し出し、景気の良い時代が人々を取り巻いていました。

個人的には70年代のアナログ感、グルーヴ感溢れる音楽の方が好みではあるものの、80年代の貪欲さや多様性を存分に感じられる音楽も負けず劣らず大好きです!

この機会にぜひ、この記事を足掛かりに1980年代R&Bのポップかつスイートでメロウな世界を堪能してみてはいかがでしょうか?

1970年代R&Bの名盤と名曲・有名曲おすすめ30選!

3月 8, 2020
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