偉大なるロックンローラー、リトル・リチャードが天に召されたようです。
「のっぽのサリー」、「Tutti Frutti」、「Lucille」・・・リトル・リチャードの音楽を知らなければ、クラプトンやストーンズ、ビートルズらが「R&Bバンド」と名乗っていた意味が分からなかったかもしれません。
R&Bを遡った先に、ロックを遡った先にでん!と鎮座、いや、まるで打楽器のごとくパーカッシブに鍵盤を叩きつけながらゴキゲンに絶唱しているのがこの御大です。
後日、ちゃんと特集を組みますが、そんなリトル・リチャードの楽曲をいくつかご紹介しましょう。
Long Tall Sally
1956年3月に発表されたリトル・リチャードのヒット曲です。
もしかしたらパット・ブーンやエルヴィス・プレスリー、ビートルズによるカヴァーの方が知名度が高いかもしれません。
Lucille
1957年2月に発表された「ルシール」もまた、ロックンロールのスタンダートして後世の数多くのミュージシャンによってカヴァーされている楽曲です。
ゆったりとしたテンポにブルースで定番のコード進行、8つ打ちのブルースピアノ、ゴキゲンなホーンセクションにところどころ入るブレイクは後のロックンロールの様式となっていきます。
Tutti Frutti
1955年に発表された、後のロックンロールの方向性を決定付けた名曲「トゥッティ・フルッティ」。
「A wop bop a loo bop a lop bam boom!」というドラムパターンを口ずさむのが代名詞となっており、陽気なピアノやホーンセクションのサウンドや進行はロックンロールの原型のひとつとして定着し、エルヴィス・プレスリーやビートルズらによってカヴァーされています。
Rip it up
リップ・イット・アップは1956年6月に発表されたヒットソングです。
ビルボード・Hot 100では17位、ビルボード・R&Bチャートでは1位をそれぞれ記録しました。有色人種への差別が当然のものとして横行していた時代に白人をも熱狂させるこの勢いたるや、凄まじいにもほどがあります。
Jenny Jenny
1957年に発表された名曲「ジェニ・ジェニ」。ここまでご紹介したリトル・リチャードの楽曲と比べるとシャウトで絶唱する場面があまり出てこないのが特徴的です。
最後に
リトル・リチャードはいわゆる「ロックンロール」に分類されるミュージシャンですが、本質的には誰よりもソウルフルでR&Bでコッテコテな、10年時代が違ったらサザンソウルの旗手になっていたこと間違いなしのレジェンドです。
ビートルズより古い世代のミュージシャンなので、おそらく40代以下のほとんどの方はたとえ洋楽好きでも知らないのではないかと思います。しかし、ロックやR&Bの歴史においてその源流に位置するのがリトル・リチャードなのです。
その位置付けのミュージシャンは他にもチャック・ベリーやエルヴィス・プレスリー、ジェームス・ブラウンなどがいますが、最もプレイスタイルが熱狂的なのはリトル・リチャードで間違いないでしょう!
ストーンズやビートルズ好きな方なら、曲は耳にしたことがあるでしょうが、リトル・リチャードの原曲とカヴァーを聴き比べるとよほど60年代の荒れ狂っていたロックバンドのカヴァーの方が御行儀良く聴こえるほど、リトル・リチャードはぶっ飛んでいました。
そんな偉大なるロックンローラー、リトル・リチャードへ
R.I.P.