映画『ボヘミアン・ラプソディ』の大ヒットで再び世界中を湧かせているイギリスのロックバンド・Queen(クイーン)。
クイーンには数多くの名曲があり、どれもが一度はどこかで耳にしたことのあるという方が多いはず!
あるいは、映画で興味を持って
「今までちゃんとクイーンの曲を聴いたことがなかったから、あらためて聴いてみたい!」
という方も多いのではないでしょうか。
クイーンは、ロックというジャンルにとらわれず、色々な音楽を取り込みながらもキャッチーで美しいメロディの楽曲を手がけてきた点において特徴的です。
楽曲のクオリティの高さや多様性、
「全員歌える」のが持ち味の巧みなコーラスワーク、
卓越した演奏、圧倒的なステージパフォーマンス・・・
私は現役でミュージシャン、そしてボイストレーナーをしています。
そして、私が最も影響を受けたヴォーカリストのひとりはクイーンのフレディー・マーキュリーです。
フレディーがオペラの発声を習得しようとしていたことを耳にした若かりし頃の私は、ポップスをやりたかったのに声楽の先生を探してボイストレーニングを受けていたほどでした。
今回は、そんなクイーンの代表曲・人気曲から、ボイストレーナー/ミュージシャンである私が10曲を厳選して紹介します!
Don’t Stop Me Now(ドント・ストップ・ミー・ナウ)
リリース年:1978年
収録アルバム:ジャズ
クイーンの中でも特に軽快で爽やかなロックナンバーといえば”Don’t Stop Me Now”(ドント・ストップ・ミー・ナウ)です。
フレディーの優しげな歌とピアノで曲が始まり、バンドインしてからラスト直前まで勢い良く駆け抜けていく疾走感が堪りません!ヴォーカリストの視点から見ても、凄まじい抑揚や緩急の振れ幅や声色の使い分け、所々入る息の合ったコーラスはいずれも素晴らしいです。
簡単ではありませんが、これをカラオケで歌えたら盛り上がること間違いなしですね!
Radio Ga ga(レディオ・ガ・ガ)
リリース年:1984年
収録アルバム:ザ・ワークス
ドラムのロジャー・テイラーが作曲した後期クイーンを代表する人気曲です。
この曲は、ロジャーの息子が赤ちゃん言葉の頃、ラジオを聴いていて「ラジオ、カカ」と言ったことからインスピレーションを得たそうです。
後にこの「カカ」を、「夢中になる」「熱狂的な」といった意味の「ガガ」(ga ga) に改め、曲名にしています。
ちなみに、あのLady Ga Ga(レディー・ガガ)の名前はこの曲名に由来しているんですよ。
映画を見た方、あるいはLIVE AID(ライブ・エイド)の映像を見たことがある方はフレディーの圧倒的なステージパフォーマンスに観客が煽られまくっているのが印象的なんじゃないかと思います。
タンクトップのちょびヒゲ姿で、ブーム型のマイクスタンドの先だけを持って堂々と大観衆を煽りまくり歌い倒すフレディーの姿は、私にとってヴォーカリストの原風景のひとつとなっています。
Somebody To Love(サムバディ・トゥ・ラブ / 邦題:愛にすべてを)
リリース年:1976年
収録アルバム:華麗なるレース
クイーンの中でも特に「美メロ」なのが”Somebody To Love”(サムバディ・トゥ・ラブ)です。
原曲ではリードヴォーカルをとるフレディーの後ろで、バンドメンバー全員がコーラスをする鳥肌モノのアレンジとなっています。
コーラスが厚いロックバンドといえばThe Beatles(ザ・ビートルズ)かThe Beach Boys(ザ・ビーチ・ボーイズ)
ですが、クイーンも負けず劣らずメンバー全員が歌えるハイスペックなバンドなのです。
ヴォーカル的観点から見て、この時代にこんな緩急豊かに声を使い分けながら歌い上げるロックヴォーカルはいませんでした。
絶世の王子様みたな顔立ちをした男性がこの名曲を惚れ惚れするような声で歌っていたら、そりゃあ間違いなく日本でも流行りますよね。
Another One Bites the Dust(アナザー・ワン・バイツ・ザ・ダスト / 邦題:地獄へ道づれ)
リリース年:1980年
収録アルバム:ザ・ゲーム
“Another One Bites the Dust”はクイーンの新境地とも言えるディスコ・ファンクテイスト溢れる楽曲です。この曲はベースのジョン・ディーコンが作曲しているのですが、どこかR&Bやファンクの雰囲気が漂っていて素敵ですね。
8ビートの重たいドラムにゴキゲンなベースに、あまりお目にかかれないブライアン・メイのカッティングギター。そして、フレディーの畳み掛けるような圧のあるヴォーカル。グルーヴィーでずっしりした演奏にうっとりさせられます。
I Was Born To Love You(アイ・ワズ・ボーン・トゥ・ラヴ・ユー)
リリース年:1995年
収録アルバム:クイーン メイド・イン・ヘヴン
おそらくクイーンで一番有名な曲のひとつかもしれません。
特にアラサーからアラフォーの方々にとっては、キムタクが主演のドラマ『プライド』の主題歌として流れていたことので耳なじみがあるのではないでしょうか。
その他の時期にも日清のカップヌードルのCMなどで使われていました。
実はこの曲、元はフレディのソロ名義の曲なのですが、フレディの死後にバンドがアレンジを加えています。
映画『ボヘミアン・ラプソディ』を見て「なんでこの曲が入ってないんだろう?」と思った方、多いのではないでしょうか?
なぜなら、この曲はバンド名義ではなく、フレディのソロ名義の曲だからです。
そんなウンチクはともかく、この曲も”ドント・ストップ・ミー・ナウ”と同様、疾走感が冴え渡っていてカッコいいですよね!
Love Of My Life(ラブ・オブ・マイ・ライフ)
リリース年:1975年
収録アルバム:オペラ座の夜
クイーンの曲の中で最もシンプルなアレンジの曲のひとつがこの”Love Of My Life”(ラブ・オブ・マイ・ライフ)です。
有名度で言えば、今回登場しなかった他の名曲に劣るかもしれません。
しかし、フレディ・マーキュリーが、当時恋人であったメアリー・オースティンとの別れをテーマに作曲した曲で、
「僕の最愛の人よ、戻ってきてくれ」
という意味合いの歌詞が、たとえ英語が分からなくてもフレディーの情緒あふれる歌と、ブライアンのギター(とハープ(!!))で心に染み入っていきます。
ただパワフルなだけでなく、こんなにシンプルな曲もやれるというクイーンの守備範囲の広さたるや、驚かざるをえません。
Killer Queen(キラー・クイーン)
リリース年:1974年
収録アルバム:シアー・ハート・アタック
“Killer Queen”(キラー・クイーン)はクイーンの中でも特にクイーン色の強い、「オペラロック」の先駆けとなった曲調の人気曲です。
ミュージシャン目線から見て何が凄いかというと、この華やかな絵巻物のような曲がわずか3分という短い尺に収まっているところです。
180秒という時間の中に展開めまぐるしいアレンジやメロディ、中性的で美しいヴォーカルワークや重曹的なコーラスワークが散りばめられているのがこの曲の魅力です。
We Are The Champions(ウィー・アー・ザ・チャンピョンズ / 邦題:伝説のチャンピオン)
リリース年:1977年
収録アルバム:世界に捧ぐ
クイーンの代表曲といえば”We Are The Champions”(ウィー・アー・ザ・チャンピョンズ )でしょ!
を思い浮かべる方は多いのではないでしょうか?よくテレビやスポーツのイベントで流れるので耳馴染みがあるかと思います。
この曲のリリース当時、歌詞に出てくるチャンピオンという言葉は、自分たちのことを指している、自分たちが世界一だと思い上がっているのではないかと批判されたこともあったようです。
それに対して、ブライアン・メイは
「この曲は自分たちをチャンピオンだと歌っているのではなく、世界中の一人ひとりがチャンピオンなのだと歌っている」(引用:「Wikipedia」より)
と反論したとのこと。
大事なのは戦う気持ちや自信、自尊心。
そんな気持ちを呼び起こす曲だからこそスポーツに合うのでしょうね。
We Will Rock You(ウィ・ウィル・ロック・ユー)
リリース年:1977年
収録アルバム:世界に捧ぐ
クイーンの曲で1,2を争うほど有名な曲が”We Will Rock You”(ウィー・ウィル・ロック・ユー)です。
床を踏みつける音と手拍子が織りなすリフは、ロック史上最もカッコいいフレーズのひとつです。
気持ちを掻き立てられるこのフレーズを聴くと気持ちが高まっていきますよね。
やはりこの曲もスポーツの試合などでよく耳にします。
Bohemian Rhapsody(ボヘミアン・ラプソディ)
リリース年:1975年
収録アルバム:オペラ座の夜
映画『ボヘミアン・ラプソディ』のタイトルとして使用されている”Bohemian Rhapsody”(ボヘミアン・ラプソディ)。
クイーンの真骨頂であるコーラスワークや複雑な演奏、めくるめく曲の展開などが散りばめられた「オペラロック」の頂点に立つ曲です。
クイーンがクイーンたる所以は、ロックバンドとカテゴライズされているものの、既成概念を打ち破って新しいものを創ろうと挑戦し続けた点にあります。
その姿勢が最も現れている曲がこの曲と言えるでしょう。
この複雑な曲をライブでやってしまうバンドの演奏力の高さたるや、半端じゃないです。
まとめ
「Queen(クイーン)のおすすめ名曲・有名曲!絶対に聴くべき人気曲10選」はいかがでしたか?
フレディーはもうこの世にいませんが、2018年に映画『ボヘミアン・ラプソディ』でバンドの人気が再燃して、再び人々の心の中にクイーンの曲や演奏とフレディの声が蘇りました。
時が流れても、クイーンのサウンドやフレディの声は、誰かの心の中でいつまでも生きていきます。
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