カーティス・メイフィールドのおすすめ名曲・人気曲!絶対に聴くべき代表曲10選

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マーヴィン・ゲイ、スティーヴィー・ワンダー、ダニー・ハサウェイに並び、ニューソウルの旗手として、R&Bやソウルの世界では有名なカーティス・メイフィールド。彼の音楽性は後世のあらゆるジャンルの音楽に多大なる影響を与えました。

今回は、そんなカーティス・メイフィールドの代表曲・人気曲から、ボイストレーナー/ミュージシャンである私が10曲を厳選して紹介します!

カーティス・メイフィールドについて

カーティス・メイフィールド、音楽との出会い

カーティス・メイフィールドは、1942年にシカゴで生まれました。彼の祖母はゴスペルシンガーだったこともあり、幼いころから教会に通い、ゴスペルを歌いながら育ったのです。10代中盤にはコーラスグループを結成して音楽活動に精を出し、その後まもなく、後に有名になるコーラスグループ「インプレッションズ」を結成するのです。

カーティス・メイフィールドの音楽性

カーティス・メイフィールドの特徴は、やはりカッティングギターとファルセット(裏声)を多用するところです。切れ味抜群なギターのサウンドは、同時代や後世のファンクミュージックに大きな影響を与えると同時に、柔らかくて包容力あるファルセットや、社会的なメッセージが盛り込まれた歌詞はR&Bやソウルミュージックに大きな影響を与えたのです。

カーティスが活躍した60年代から70年代にかけては、公民権運動やベトナム戦争が活発で、音楽的にもフォークが世を憂うような歌を、R&B、ソウル勢は黒人のアイデンティティに働きかけるような歌を、それぞれ発表し活発な活動が見られました。かたや、カーティスは怒りや苦しみをぶつけるような表現はせず、優しく語りかけるような歌い回しや歌詞を通して、ポジティブな楽曲を世に繰り出しました。

切れ味抜群なギターやリズム隊と、明るく華やかな歌やホーン・セクション、ストリングスは見事にマリアージュし、カーティス独自の音楽性として大変な人気を誇っていたのです。

For Your Precious Love(フォー・ユア・プレシャス・ラブ)

リリース年:1958年
収録アルバム:シングルとしてリリース

カーティス・メイフィールドはソロ活動をする前に、「インプレッションズ」というコーラスグループに加入していました。彼らが1958年にリリースしたデビュー曲「フォー・ユア・プレシャス・ラブ」は全米チャート3位を記録し、順調なスタートを切ることになります。

R&B、というよりはオールディーズのような雰囲気ですかね。ニール・セダカやプラターズと似た系統の、包容力ある歌声が魅力的な名曲です。

インプレッションズはジェリー・バトラーがリードヴォーカルで、カーティス・メイフィールドはあくまでコーラスという位置付けだったものの、のちにジェリーがソロ活動を開始したことに伴い、カーティスはリードヴォーカル兼、ソングライター兼ギタリストを担当し、中心メンバーとしてグループを牽引していきました。

It’s All Right(イッツ・オール・ライト)

リリース年:1963年
収録アルバム:シングルとしてリリース

インプレッションズ時代の名曲をもうひとつ。1963年にヒットした「イッツ・オール・ライト」は公民権運動まっさかりのブラック・コミュニティーの間でも流行り、全米R&Bチャート1位を記録した有名曲です。

この曲がリリースとほぼ同時期の1963年8月。日本の教科書でも登場するマーティン・ルーサー・キング牧師の名演説「私には夢がある(I Have a Dream)」が行われ、数十万人の人々の心に火が灯りました。

この曲は穏やかな曲調ですが、カーティス・メイフィールドは「少しずつ動いていこう。イッツ・オールライト、大丈夫さ。かならず良くなる」というメッセージを、歌を通して社会へ投げかけたのです。まだ歌を通してメッセージを投げかけるという発想がR&B系のアーティストになかった時代にこういう曲を世に繰り出したことで、カーティスは黒人にとってヒーローとなっていくのです。

People Get Ready(ピープル・ゲット・レディ)

リリース年:1965年
収録アルバム:ピープル・ゲット・レディ

ポピュラー音楽の歴史を語る上で絶対に欠かせない、アメリカンポップスにおいて、R&Bにおいて絶対的な名曲であり、カーティス・メイフィールド、インプレッションズにとって最も有名な曲が「ピープル・ゲット・レディ」です。

同じR&B系アーティストのアレサ・フランクリンやアル・グリーンを筆頭に、ロッド・スチュワートやボブ・マーリー、日本でも綾戸智恵やハナレグミがカヴァーをしているので耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか?

信念を持った人々が集まり、列をなして聖地へ向かう。
列車は同志の比喩で、列車の音はシュプレヒコールを、「荷物」とは武器や差別といったネガティブな物事を指しています。

先のキング牧師の演説や、それに熱狂する黒人を励ますかのような意味合いを持ったこの曲は、黒人にとって一番のアンセムとなり、彼らを突き動かす原動力となったのです。

Move On Up(ムーブ・オン・アップ)

リリース年:1970年
収録アルバム:カーティス

ここからはカーティス・メイフィールド名義の楽曲を紹介していきます。まずは、ソロデビューアルバム「カーティス」に収録されている「ムーブ・オン・アップ」。カーティス屈指の代表曲として有名なこの曲は、細やかで躍動感溢れるリズムとキレキレのホーン・セクション、カーティスによるカッティングギター、そしてカーティスの武器である軽やかでハスキーなファルセット(裏声)が聴きどころです。

泣かないで、今は黙っておこう いつか君の友人も理解してくれるはずだ
唇を噛み締めて、前に進もう 目の前の泥道に足を滑らせちゃいけない

顔を上げて進もう!

暖かかく優しく、同胞を励ますように歌うカーティスのメッセージは、同時期にリリースされたマーヴィン・ゲイの傑作「ホワッツ・ゴーイン・オン」の影響も相まって当時の黒人たちに希望と勇気を与えました。

The makings of you(メイキングス・オブ・ユー)

リリース年:1970年
収録アルバム:カーティス

アルバム「カーティス」に収録されているカーティス・メイフィールドの隠れた名曲「メイキングス・オブ・ユー」。カーティスの真骨頂である優しい語り口のファルセットに、煌びやかなストリングスやエレピの音色が合っていてうっとりしてしまいそうになります。

Superfly(スーパーフライ)

リリース年:1972年
収録アルバム:スーパーフライ

「スーパーフライって、もしかしてあの・・・?」

勘が良い方はお気づきかもしれません。まさしく、カーティス・メイフィールドが1972年にリリースしたアルバム「スーパーフライ」に収録されているタイトル曲「スーパーフライ」こそが、日本を代表するバンド、スーパーフライのバンド名の由来となっているのです。

現在は裏方をしているギターの多保氏が、若き日にカーティスのこの曲のライブ映像を見て惚れ込んでしまったことがきっかけで志保さんが加入する前からバンド名が決まっていたという・・・。笑

そんな「スーパーフライ」は、映画「スーパーフライ」のサントラとして制作されるとビルボード全米チャート1位を記録し、70年代ソウルやファンクを代表する名盤として後世のミュージシャンに大きな影響を与えました。ベースが縦横無尽に駆け抜け、ホーン・セクションもゴキゲンな雰囲気で気分も高まりそうな名曲です。

Freddie’s Dead(フレディーズ・デッド)

リリース年:1972年
収録アルバム:スーパーフライ

アルバム「スーパーフライ」に収録されているカーティス・メイフィールドのもうひとつの代表曲が「フレディーズ・デッド」です。ワウが効いたカッティングギター、繊細なビートを刻むパーカッションに美しいストリングス、そしてタイトで重層的なホーン・セクションがクールかつワイルドで魅力的な名曲です。

この曲を聴いてからバンド、スーパーフライの初期の楽曲を聴くとカーティスの影響力の強さにニヤっとすること間違いなしです!

Future Shock(フューチャー・ショック)

リリース年:1973年
収録アルバム:バック・トゥ・ザ・ワールド

ファンク、ソウルの名盤となったアルバム「スーパーフライ」の次に発表されたアルバムが「バック・トゥ・ザ・ワールド」です。カーティスの代名詞であるファルセットにキレッキレなカッティングギター、そしてこれまで以上にタイトなグルーヴを醸し出すストリングスに、サウンドの更なる進化を感じます。

ベトナム帰還兵の問題をアルバムの構想に取り入れて制作された本作は、これまで以上にファンキーで勢いがあり、特に「フューチャー・ショック」は切れ味抜群なサウンドを味わうことが出来るファンクの名曲として人気です。

Billy Jack(ビリー・ジャック)

リリース年:1975年
収録アルバム:ゼアズ・ノー・プレイス・ライク・アメリカ・トゥデイ

1975年リリースのアルバム「ゼアズ・ノー・プレイス・ライク・アメリカ・トゥデイ」の冒頭を飾るのがビリー・ジャックです。このアルバムはそれまでのアルバムと比べると趣が異なっていて、カーティスらしい明るく華やかなストリングスやホーンセクションが影を潜めています。他方で、ワウを効かせたカッティングギターが絡み合い、これまでよりもファンクを突き詰めていったようなサウンドメイクが特徴的です。

このアルバムもまた、カーティスにとって一大テーマである黒人の失業や貧困について取り上げていると同時に、政治・経済的に困窮し不況に陥ったアメリカを皮肉るような楽曲やアートワークが見どころです。注目すべきは、こんなに混沌と、どこかどんよりとした楽曲と、ディスコソングやセクシーな楽曲が同時代に同じR&Bというカテゴリーの中に同居していたという点です。後にも先にも、70年代のR&Bは最も幅広く可能性豊かな音楽ジャンルだったのです。

Tripping Out(トリッピング・アウト)

リリース年:1980年
収録アルバム:サムシング・トゥ・ビリーヴ・イン

1980年のアルバム「サムシング・トゥ・ビリーヴ・イン」に収録されている「トリッピング・アウト」は、AORファンやシティポップ、山下達郎ファンにとって因縁深い曲です。イントロのギターやコード進行、バンドアレンジを聴いてみてくださいね。・・・これは!?

そう。日本が誇る天才、山下達郎の名曲「あまく危険な香り」(1981年にレコーディング)になんだかそっくりなんです!

カーティス・メイフィールドと山下達郎、久保田利伸、オマージュについて

時系列を追っていくと、カーティスが先に「トリッピング・アウト」を作り、その2年後にヤマタツが「あまく危険な香り」を作っているわけなのですが、かつてヤマタツは自身のラジオ番組「サンデー・ソング・ブック」でこう述べています。

天地身命に賭けて「あまく危険な香り」は「CURTIS MAYFIELD / TRIPPING OUT ’80」のパクリではない。
RSO時代のカーティスはあまり好きではなくて「あまく危険な香り」を81年にレコーデイングするまでは、「TRIPPING OUT」は一度も聴いたことがなかった。
リズムパターンは同じだけどパクリではない。むしろこれだけよく似たオケが作れたことを褒めて欲しいぐらいだ。
(2007年3月25日のTokyo FM・「サンデー・ソング・ブック」にて)

日本では、こうして似たような雰囲気の曲を比較して云々言いたがる方も少なからずいます。

しかし、ミュージシャンとして言わせていただくならば、「好きなアーティストの作る曲に寄ってしまった」というのはむしろニコッとしてしまうような素敵なことだと思うんです。ヤマタツもカーティスのことを敬愛しているのですが、自分の作曲編曲の思考回路や「手グセ」が好きなアーティストに寄るのは、いわば尊敬するシェフのもとで修行した料理人がそのシェフの味を無意識レベルで再現してしまうのと同じようなものです。

ビヨンセの歌にホイットニーが見え隠れするように、ブルーノ・マーズの歌にマイケルが見え隠れするように、超一流は超一流の背中を見て、そのクオリティの仕事をしているのです。その遊び心やリスペクトする精神を、ぜひ楽しんで頂きたいと思うわけです。ちなみに、

日本を代表する男性R&Bシンガー、久保田利伸がアメリカでリリースした「ブレイキング・スルー」も、そこはかとなく似ているような・・・。

久保田の楽曲には、ところどころにR&Bの名曲やアーティストのオマージュが散らばっていて、本人もかつてテレビで「そういう遊び心の部分をニヤニヤしながら楽しんでほしい」なんてことを述べていました。これだから音楽は楽しいんです!

カーティス・メイフィールドの最もおすすめな名盤は「スーパーフライ」!

カーティス・メイフィールドのおすすめ名盤はずばり!「スーパーフライ」です!このアルバムは、マーヴィン・ゲイの「ホワッツ・ゴーイン・オン」と並んで、ニューソウルや70年代アメリカンポップスを代表する名盤として後世に大きな影響を与え、先も述べた通り、日本のロックバンド、スーパーフライの名前の由来にもなっているほどです。

キレッキレなカッティングギターに優しく明るいファルセット、華やかで煌びやかなホーンセクションにストリングス。その裏ではパーカッションやベースのリズム隊がファンキーにグルーヴしていてとてもカッコ良いですよ!

ちなみに、ベストアルバムもありますが、インプレッションズからカーティス個人時代までが包括的にまとまっているものが見当たらないため、あまりおすすめできません。

おわりに

シンガー、ギタリスト、ソングライター、そしてプロデューサーとして大活躍したカーティス・メイフィールドの代表曲や名曲を厳選して紹介してまいりましたがいかがでしたか?

インプレッションズの一員として名曲を量産した60年代。ファンクとR&Bの境界線上を、黒人の啓蒙や戦争についての問題提起という明確な目標をブレずに保ちながら駆け抜けた70年代。

カーティスは、ファルセットとカッティングギター、ストリングスの多用という点において、同時代のR&Bシンガーと決定的に異なっていました。今日に至るまでのR&Bやファンクのサウンドに大きな影響を与えたカーティスの楽曲を、この機会にお楽しみいただければ幸いです!

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