こういったお悩み、解決します。
本記事の内容
- ピアノ初心者が揃えるべきものとは?
- アイテムの選び方
- おすすめのピアノアイテム
本記事の筆者
この記事を書いている私は楽器弾き語りの指導も行うボイストレーナー、ヴォーカリストです。過去に大手音楽教室の楽器やアイテムの購買から各教室への供給管理まで手がける仕事をしていたため、楽器の市場や動向についてはある程度詳しいのではないかと自負しています。
今回は「ピアノ初心者がピアノを始めるにあたって揃えるべきもの」についてお話ししていきます。
ピアノは大きくアコースティック・ピアノ(生ピアノ)と電子ピアノに分かれます。また、電子ピアノにも脚部がない卓上タイプの電子ピアノからアコースティックピアノのような見た目をした電子ピアノまで、色々な種類があります。
揃えるべきアイテムはピアノの種類によって異なるのですが、本記事では主に電子ピアノを練習・演奏していくに際して揃えるべきアイテムをご紹介していきます(もちろん、生ピアノを持ってらっしゃる方にも参考になるのでご安心ください!)。これからご紹介するアイテムを揃えることで、日々のピアノの練習や演奏がより一層捗ります。また、ピアノのコンディションをより適切に保つことが出来ます。
アイテムごとにおすすめのものや選び方も併せてお伝えしていくので、この記事を読むことで迷わずに必要なものを揃えられます。最適なピアノアイテムを揃えて日々の練習に挑みましょう!
椅子
ピアノを楽しむ上でピアノ本体同様、必須アイテムなのが椅子です。
そんな椅子ですが、低価格帯や初心者向け電子ピアノには付属していません(8万円以上程度〜付属する傾向があります)。
私はあまり椅子に拘らない方ですが、長時間練習することも踏まえるとある程度快適なものが良いのは明らかです。椅子にはX脚型の椅子と4つ脚の椅子とがあります。また、高さが調整出来るもの、出来ないものがあります。
椅子を選ぶ上で重要なのは「高さを調整出来るかどうか(高低自在椅子)」です。私のおすすめは「4つ脚の高低自在椅子」です。なぜなら、自分に合った高さに調整して座ることが出来、X脚型の椅子より安定感があるからです。
おすすめの椅子:ヤマハの高低自在椅子
「業界標準」と言っても過言ではない大手楽器メーカー、ヤマハが手がける高低自在椅子は最もシンプルにして実用性が高いおすすめなアイテムです。実際に座ってみると分かるのですが、ローランドやKORGの同価格帯の高低自在椅子よりも作りがしっかりとしていて座り心地も良いんです。
また、カラーバリエーションが4色あるのでお手持ちのピアノの色に合わせて選べるのもおすすめポイントです!
キーボードスタンド
アコースティックピアノや脚部が一体型の電子ピアノをお持ちの方は読み飛ばしてください。脚部が付属しない卓上タイプの電子ピアノまたはキーボードをお持ちの方は、今後しっかりと練習していくに際してキーボードスタンドはぜひ手に入れることをおすすめします。
デスクやテーブルの上に電子ピアノを置いて演奏することも出来ますが、その高さが最適かはイマイチ怪しいです。
キーボードスタンドは汎用性のX脚のものと、キーボード・電子ピアノやメーカー固有の純正品の2つに分かれます。おすすめはX脚のものです。なぜなら、X脚のキーボードスタンドは日頃折りたたんで幅を取らずに収納しておけるからです。卓上タイプの電子ピアノを選ぶ理由は安いかコンパクトかなので、ここで純正品のスタンドを購入してしまうと普通の電子ピアノと変わらないので機能性を失いもったいないです。
おすすめのキーボードスタンド:ハーキュレスのキーボードスタンド
これはザ・現場の意見ですが、音楽スタジオやライブハウスでダントツの耐久性を発揮しているのがあらゆるスタンドを手がけるハーキュレスというメーカーのキーボードスタンドです。例えば大手音楽スタジオNでは、どのスタジオでも譜面台、ギタースタンド、キーボードスタンド・・・全てハーキュレスで統一されています。ライブハウスでも良く見かけますし、ミュージシャン御用達のメーカーなので信頼性も抜群です。
安値で売られているものより値段は張ってしまいますが、操作性や安定感、耐久性は安いスタンドより格段に優れています。普通のXタイプとダブルXタイプとがありますが、卓上ピアノを載せる分にはどちらでも構いません。安全や安定感を期すのであればよりがっちりしたダブルXタイプをおすすめします。
ヘッドホン
電子ピアノをお持ちの方にとって必須なのがヘッドホンです。お手持ちの電子ピアノにヘッドホンが付属している方、すでにヘッドホンをお持ちの方もぜひご覧ください。
あまり知られていませんが、ヘッドホンは音楽観賞を楽しむ「リスニング用」、電子ピアノや電子ドラム等の練習に適した「楽器用」、音楽制作や映像編集に最適な「リファレンス用」の3種類に分かれます。
- リスニング用:EDM、クラシック、ロックetc…音楽ジャンルごとに適したチューニングが施されている
- 楽器用:装着性が高くナチュラルなサウンド
- リファレンス用:ダイナミクスや定位、音の「アラ」が明瞭かつ繊細なサウンド
この中でもっともおすすめなのは「楽器用」です。
また、ヘッドホンは「開放型」と「密閉型」の2種類に分かれます。
- 開放型:遮音性の低いタイプのヘッドホン。装着感が快適、音の抜けが良い、高音域の伸びが良い
- 密閉型:遮音性の高いタイプのヘッドホン。音色の解像力が高い、低音域に迫力がある
この中でおすすめなのはより装着感が快適な「開放型」です。
他にもいろいろな注目ポイントや違いがありますが、電子ピアノを練習するのに適したヘッドホンを選ぶにはこの2点が最も重要です。価格はピンからキリまで色々ですが、おすすめは1万円代のヘッドホンです。高い!と思うかもしれませんが、価格以上に音や装着感が違います。ここで紹介するようなヘッドホンの良さを知ってしまうと、電子ピアノに付属しているヘッドホンは「おまけ」に感じてしまうほどです。
ここでは2台の定番ヘッドホンをご紹介します!
おすすめのヘッドホン①:YAMAHA(ヤマハ)のオープンエアー型ヘッドホン
ヤマハのオープンエアー型ヘッドホンHPH-200は、楽器の音色が忠実で緻密な音質を楽しめる一台です。ベロア生地のイヤパッドのオープンエアー型であるため、長時間練習を続けても疲れにくく快適な装着感なのがおすすめポイントです。
私は密閉型の方が好みなので基本的に後ほどご紹介するAKGのヘッドホンを使いますが、夏の暑い日に練習する際や練習が長時間に及ぶときはこちらを使っています。
おすすめのヘッドホン②:AKG(アーカーゲー)のセミオープンヘッドホン
AKGのK240 MK IIはセミオープン型という、密閉型と開放型の中間に当たるタイプのヘッドホンです。
密閉型の特徴である豊かな低音と、開放型の特徴である抜けが良くナチュラルなサウンドが両立しているのが魅力です。
また、イヤーパッドは嬉しいことに合皮製とベロア製の2種類が入っていて、お好みのタイプを選べるようになっています。
メトロノーム
生ピアノで練習される方はもちろん、メトロノーム機能が付いている電子ピアノで練習される方もメトロノームはぜひとも手にして頂きたいアイテムです。
メトロノームにはクリック型(電子ピアノのメトロノーム機能やスマホアプリも含む)と振り子型に分かれます。私がおすすめするのは振り子型のメトロノームです。
なぜかと言うと、振り子型に動く針を追うことで「カチッ、カチッ」と音が鳴る間の間合いを掴むことが出来るからです。ピアノや弾き語りをする際に欠かせないのはこの「間合い」に他なりません。振り子型ならどんな機種でも良いのでぜひ導入することをおすすめします!
防音・防振マット
生ピアノ、電子ピアノを演奏する上で気がかりなのが打鍵やペダルを踏んだ際の振動や床に付いてしまいがちな傷や凹みです。こうした心配やお悩みを解消出来るおすすめアイテムが「防音・防振マット」です。
防音・防振マットをピアノの底に敷くことで得られるメリットはたくさんあります。まず、床に伝わるピアノの振動音を緩和させられます。また床に直置きするよりもマットのクッション性が振動を緩和させるため、ピアノのバランスが安定します。その他にも冬の寒い日にピアノを弾く際、足元の冷えが緩和されるのも嬉しいポイントです。
私は賃貸マンションで電子ピアノを使用していますが、防音・防振マットと後ほど取り上げる防音・防振ゴムを組み合わせて使用したことでほとんど床に音が響かなくなり、安心して練習出来るようになりました!
おすすめの防音・防振マット:NBLの「ふわしずかマット」
ピアノの防音・防振マットは専門的な製品が少ないです。興味深いことに、楽器メーカーの中ではRoland(ローランド)が発売している位です(ライバル製品が少ないせいか、やたら高い)。
そんな中でおすすめなのがNBLというメーカーが電子ピアノサイズで発売している「ふわしずかマット」です。私も実際にローランドの電子ピアノの脚部に敷いていますが、かなり振動を緩和することが出来ます!他にも色々なカーペットメーカーが似た様な製品を取り扱っている中、圧倒的にコスパが良くて効果抜群なのでイチオシですよ!
防音・防振ゴム
防音・防振マットと合わせて使用することでより効果的に防音・防振対策出来るのが防音・防振ゴムです。
試しに防音・防振マットだけと、防音・防振マット+防音・防振ゴムの組み合わせでピアノを弾いてみたところ、後者の方がそれなりに振動を軽減することが出来ました。ずっと使い続けられ、価格が3000円程度とそんなに高くないのも魅力的です。
防音・防振ゴムは防音・防振マットほどバリエーションがなく、私は下記のリンク先のゴムを使用しています。
お手入れアイテム(ピアノ用クロス、鍵盤クリーナーなど)
生ピアノや電子ピアノの鍵盤や外見は練習するたびに汗や手脂で汚れてしまいます。そんな時、やってはいけないのが「アルコール+その辺の布で拭き上げ」です。
おすすめなのは目が細かいピアノ用クロスや鍵盤クリーナーを使うことなのですが、単品でそれぞれ買うのは面倒ですよね。また、色々な商品が出ていますが、「これが際立っておすすめ!」というものもほとんどありません。
おすすめのお手入れアイテム①:ヤマハのピアノメンテナンス用品 お手入れセット
実はヤマハ、多くの楽器において「お手入れセット」なる商品を取り扱っています。私もサックスの「お手入れセット」を使用していましたが、はじめはこれを手に入れておけば間違いありません。内訳はピアノの鍵盤専用のクリーナー、外側に使えるクリーナー、コンパウンドとクロスです。
おすすめのお手入れアイテム②:鍵盤用クリーナー「キークリン」
教育機関やピアノ愛好者にとってほぼ唯一の定番お手入れアイテムが「キークリン」です。
単純に他の商品よりもコスパが良く(アマゾンで購入すると80mlで約800円)、楽器店でもよく目にするという安心感がおすすめポイントです。ヤマハのお手入れセットを使い果たした頃に購入すると良いでしょう!
まとめ:お気に入りのアイテムを揃えて練習や演奏を楽しもう
今回は、「ピアノ初心者がピアノを始めるにあたって揃えるべきもの」をご紹介してきました。
何を揃えれば良いかなんとなく分かっていても、人気があって機能性も高く、初心者におすすめなアイテムがどれかまではなかなか分かりません。ここで紹介したのはいずれも人気で定番かつ、初心者にも適していてコスパも良いアイテムなので全て揃えてもさほどお金はかかりません。この記事を参考にして好きなアイテムを集めてピアノを楽しみましょう!