【声が通るようになる!?】共鳴腔に上手く声を響かせよう

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「頑張って声を出してるつもりなのに大きい声が出ないんですー」

「大きい声を出そうとするとノドがギュってなっちゃうんです!」

「私、声が通らなくてよく聞き返されるんです・・・」

こんなお悩みを持っている方、多いのではないでしょうか?

ボイトレを受けようと思う方からヒアリングをしていると、「音痴が悩み」、「高い声を出したい」という声を良く耳にします。

これら定番の悩みや要望と同じくらい多いのが

「大きい声を出せない」

「声が通らない」

というお悩みです。

今回は、声が出にくくてお困りのあなたに向けて、大きい声や通る声を出すヒミツを伝授します。

実は、声は無理に大きく出さず、身体に声を響かせることで大きい声や通る声が出しやすくなります。

キーワードは「共鳴、響き」です。

今回の記事は医学系の専門用語が頻発しますが、大事なのは名前を覚えることでなく、機能を知って感覚をつかむことです!

共鳴腔(きょうめいくう)とは?

共鳴腔とは、身体の中で声が反響する空間のことを指します。

まず、声は吐く息が声帯を通ることで土台となる音(喉頭原音)が作られます。

次に、その声の元になる音が共鳴腔で共鳴することによって音が増幅されるのです。

試しに、手を叩く形を少しずつ変えながら手拍子を10回ほどしてみてください。

手のくぼみを大きくしたり小さくしたり、手を合わせる向きを変えることで音色や音量が変化しますよね。

実は、我々は意識的・無意識的に、日頃から身体を使って、あんばいを調整しながら声を発しているのです。

共鳴腔が響くことで起こる変化

声が大きくなる

共鳴腔の最大の役割は声を大きくすることです。

声帯が振動することで出る小さな音を声にするには共鳴腔の存在が必要不可欠です。

腹式呼吸を通して息をしっかり出し入れしながら、身体をしっかりと響かせることが重要なのです。

つまり、腹式呼吸を覚えたからといって声が大きくなるわけではない、というわけです。

声が身体にしっかりと響く感覚を身につけることでリラックスした状態で大きな声を出せるようになるのです。

【そんなに効果あるの!?】腹式呼吸のメリット・効果

11月 13, 2018

声の音色を変えられる

また、色々な手の形で手拍子を叩いてみてお分かりの通り、声を響かせる場所や大きさを変えることで音色が変化します。

実は、みなさんがお茶の間や日常で楽しんでいるものまねは、今回取り上げている共鳴腔を巧みにコントロールしながら行っているのです。

ものまねが上手な人は歌が上手い傾向にあるのはこのためです。

母音や子音がはっきりと出せる

声の元となる音が共鳴腔に響き渡り、言葉を形成して音が声へ変化します。

つまり、音を声に変えること(発音を作る)も共鳴腔の役割のひとつなのです。

声を身体によく響かせることで音色の粒立ちが良くなるから、声が通るようになるわけです。

主な共鳴腔

声を共鳴させるために、特に重要な共鳴腔は咽頭腔、口腔と鼻腔の3つです。

3つの共鳴腔を上手く使いこなすことで、声のコントロールが格段にしやすくなります。

逆に、共鳴腔を上手く使いこなせないと、ノド声やがなり声、鼻にかかった声や通らない声になってしまいます。

咽頭腔(いんとうくう)

咽頭腔は口の奥にある共鳴腔です。

声帯の上に位置しているため、声が形成される順番的に最初に共鳴する空間となります。

ある程度、筋肉で空間の形や大きさをコントロールできるのが他の共鳴腔との違いです。

咽頭腔に声が共鳴すると、特に低い声が増幅され、音に深みや重みが出ます。

ボイトレでよく「ノドを開く」という表現を使うのですが、これは咽頭腔を開けという意味です。

ノドを開くとは、具体的には、喉仏(のどぼとけ)を下げ、軟口蓋(なんこうがい・のどちんこの辺り)を上げることを指します。

口腔(こうくう)

口腔は口の中の空間のことを指します。

口を「あー」と開くだけで鏡越しに見渡せるのでわかりやすいですよね。

ちなみに、口腔は中音域の発声や発音の形成(滑舌)において重要な役割を担っています。

口の中の形や開ける幅を変えることで、たとえば同じ「あ」の音でも音色が変化するのです。

声が通らない方、こもりがちな方は口の開け方や響かせ方を変えていくことで良くなっていきます。

鼻腔(びくう)

鼻腔は鼻の奥にある共鳴腔です。

鼻腔が響くことを「鼻腔共鳴」といい、主に高音域を発声する際に重要な役割を担っています。

また、鼻腔に響く度合いによって声のトーンが明るくなったり暗くなったりします。

鼻に響きすぎると「鼻にかけた声」になってしまい、かといって響いていないとノド声になってしまいがちなので、その調節が難しいのが特徴です。

身体は楽器と言われる理由

歌の世界では、よく「身体は楽器」と言われます。

実際、あまり寝ていなかったり体調が悪いと声が響かないですし、ストレスが溜まっていても声は出しにくいですよね。

また、顔や首、肩が凝り固まっていると声が出にくいです。活発な雰囲気の方で声だけあまり出ていないという方・・・あまりいませんよね?

このように、良い声を出すには体調が大事なのです。

調子や機能が整っていることで、声が身体により良く響きます。ゆえに「身体は楽器」なのでしょうね。

プロの体調管理

私はストレッチやランニングを欠かさないですし、付き合いでない限りは水しか飲みません(水は1日2リットル)。

マルチビタミンやミネラルといったサプリを摂っていますし、タンパク質の多い食事を心がけています。

ストレスを溜めないようにヨガにはげんでみたり、メンタルトレーニング的なこともします。

はたから見たらストイックに見えるかもしれませんが、体調を整えることはプロとしての最低条件です。

ジムのトレーナーやサッカー選手がだらしない身体をしていて動きがもっさりしていたら説得力ありませんよね?

ヴォーカリストも、ヨガの先生やアスリートと同じで、身体のプロであるべきなのです(あくまでプロやプロ志望の場合ですよ!余談でした)。

まとめ

共鳴腔のイメージや役割、少しでもつかめましたでしょうか?

よく耳にする「ミックスボイス」も、この共鳴の感覚をつかんでいないと上手く声を出せません。

腹式呼吸が上手くできるからといって、声を大きく出せるわけではありません。

声が身体に共鳴する感覚をつかみ、意識することで声が大きくなったり通りやすくなっていくのです。

身体を共鳴させる練習を通して良い感覚を自分になじませていきましょう!

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