「歌っていて音程がズレている気がする」
「声を出していて詰まる感じがする」
歌っていてこんな感じがしたことがありますか?
今回はボイストレーニングの定番となっているハミングの正しいやり方や効果、ハミングを使った色々な練習方法についてお伝えしていきます。最も手軽に取り組むことが出来るボイストレーニングのひとつなので、この記事を読んでぜひチャレンジしてみてくださいね!
ハミングとは?
ハミングとは口を開けずに、鼻に息を通して歌うことです。鼻歌と同じものです。
Justin Bieber(ジャスティン・ビーバー)の”Love Yourself”の間奏でも登場するハミング(2:43頃〜)。
「これが練習になるの?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、実は色々な効果があります。
ハミングの効果
音程が取りやすくなる
ハミングは口を開かないで発声するため、歌詞や言葉を口ずさむことができません。
そのため、何らかの音を出す際に、音程を合わせることに集中できるのです。
声の通りが良くなる
声が詰まる感じがする、声の通りが悪くひっかかる感じがする。
こういった方は、声が身体に響いていない、また響く感じがつかめておらず力んでいる傾向があります。
ハミングをすることで、共鳴腔(声が共鳴するパーツ)のひとつである鼻腔に声が響き渡り、声の通りが良くなります。
声の音色が良くなる
声の通りが良くない方は、鼻腔に声が共鳴していないため、声量が出ていてもトーンが暗く聞こえにくい傾向があります。いわゆる「ボソボソ声」がその典型例です。
鼻腔に声が響き渡ることで、声のトーンが明るくなり、軽やかで澄んだ音色となります。
音色が良くなることで、声の印象が変わるため、ビジネススキルとしてのボイストレーニング(話し方、プレゼンや営業トーク等)においてトーンコントロールは重要視されています。
声が魅力的だと歌だけでなく、日常生活もなんだか捗ります。私もボイストレーニングをするまではボソボソした声で喋るところがあり、自分の話し声は嫌いでした。
しかし、ボイストレーニングの経験を積みつつ、人前に立つ仕事をしていく中で、いつの間にか歌声だけでなく話し声も褒められるようになりました。
声はその人の印象に直結する要素のひとつであるため、音色が良いことで相手が好印象を持ってくれる要因にもなるのです。
高い声を出す感じが掴める
声が鼻腔に共鳴し、音色が良くなることによって高音が楽に出る感じが掴めます。高い声は、身体の上の方に声が共鳴するようになっているため、発声時に鼻腔が響くことで力まずに出すことができるのです。
ハミングのやり方・練習方法
- 口を軽く閉じる
- 腹式呼吸を意識して、鼻から息を吸う
- 鼻を通して、「んー」と声を出す
以上!・・・とはいえ、意識すべきポイントやコツが色々あります。
ハミングのポイント・コツ
ハミングする際に意識してすべきポイントやコツはこの3つです。
鼻筋、鼻の穴の中や口の中の上側・奥側に振動を感じる
のどに力を入れない
鼻から出る息の量を調整する
鼻筋、鼻の穴の中や口の中の上側・奥側に振動を感じる
ハミングの練習において最も重要なのは「身体の響き」、すなわち鼻や口に声が共鳴するのを感じることにあります。声が共鳴することによって、声の通りや抜けが良くなり、音色も良くなるのです。
ちなみに、声は高さや母音・子音といった発音によって響き方が変わります。微妙な変化を意識することによって身体に対する感覚が研ぎ澄まされます。
のどに力を入れない
正しいハミングをするには力まないことが大事です。のどに力が入った状態でハミングすると、喉声になってしまい、効果がなくなってしまうので注意しましょう。
鼻から出る息の量を調整する
ハミングをする際に、鼻の穴に指を当て、どれ位息が出ているかを確認してみましょう。
出している声に対して、鼻から出ている息の量が少なければ良いハミングといえます。
試しに、あえてティッシュで鼻をかむ要領で、鼻から息を出すことメインでハミングをしてみてください。この時、声が息っぽい声となり、上手く口や鼻に共鳴しません。
ハミングを使った色々な練習方法
ある程度口や鼻に声が共鳴する感覚が掴めたら、ここから先は色々な練習方法を試してみましょう。
①色々な音を出しながらハミングしてみる
どんな高さの音でも良いです。まずは出しやすい高さの音を、ハミングしながら適当に口ずさんでみます。慣れてきたら低い音や高い音、裏声でも試してみましょう。
②音階を行き交いながらハミングしてみる
音階練習については、いまどきはボイトレのアプリや動画サイトでの音源が充実しています。動画サイトなどで「発声練習」と検索してみると、なんだかそれっぽい音源が色々と見つかるので、それに合わせて練習してみましょう。
私も、近日中に動画で配信しようと計画していますので乞うご期待くださいませ!
③メロディーを口ずさみながらハミングしてみる
まさに鼻歌ですね。しかし、「ただの鼻歌」ではなく、これまでにお伝えしてきたポイントを踏まえての鼻歌となります。しっかり口や鼻に声を響かせて、そして鼻からあまり息漏れしないよう心がけて、好きな曲をハミングしてみましょう。
まとめ
「最も簡単に出来るボイトレ」と言っても過言でないハミング。いつでもどこでも出来てしまうので、まずはあまり考えずに声を出してみて、そのあとで色々なことを意識してみると楽しめるのではないでしょうか。。
マイケル・ジャクソン、B’zの稲葉さんetc…。多くのアーティストがレコーディングやライブ前にハミングをウォーミングアップに取り入れています。
色々と効果がある中で、本質的な要素は「声が鼻腔に共鳴する(鼻腔共鳴)」ということです。共鳴するから、声の通りや音色が良くなり、高い声も出しやすくなるのです。
ハミングは、リップロールやタングトリルと同様、独学でやってもあまりデメリットのない練習方法なので、「ボイトレってどんなもんなんだろう?」という方もお気軽に試してみてください。