「アタマではメロディーが掴めてるんだけど微妙にズレるっ!!」
「出だしの音がどうしても外れちゃうんですよね・・・」
「自分が出している声が低いとか高いとか、分からないんです!!」
よく聴く曲やよく歌う曲でも、いざ歌おうとすると音がズレてしまうことがありますよね。
あるいは、音楽は好きなのに、自分で歌おうとしても全然音程が取れなくて声を出すのも恥ずかしい・・・という方もいらっしゃいます。
私はこれまで100人以上の方のレッスンをする中で、たくさんの「音程がニガテ」な方と出会ってきました。
「飲み会の二次会でカラオケに行くのがゆううつで仕方がないけど・・・もし上手く歌えるようになったら楽しいんだろうなと思って(教室に)来てみました」
こうおっしゃる方に、これからお話する音程の仕組みや捉え方、そして音程を正しく取るための練習方法やコツをレッスンの中でお伝えしていきました。
その結果、幸い皆しっかりと音程を合わせて歌を歌えるようになっております。
そこで今回は、
- そもそも音程とはナニモノなのか?
- なぜ正しい音程で歌えないのか?
についてお話ししていきます。
音程を正しく取るのがニガテな理由を知ることで、どこに気をつければ音程を正しく取ることができるのかが見えてきます。
音程を正しく取るための練習方法やコツについてはこちらにて解説しますので併せてご覧になってみてください!
そもそも音程とはナニモノなのか
音程とは「二つの音の高低の差」のことを意味しています。
たとえば、「ドレミの歌」でおなじみの「ド」と「ミ」という、2つの音が並んでいるとします。
この2つの音はドの方が下で、ミの方が上の音となりますね。
この2つの音はどれくらい離れているかというと、「ド→レ→ミ→ファ→ソ→ラ→シ→ド」という流れのうち、「レ」をすっ飛ばした「2つ分」だけ、音が離れています。
次にこの関係を山手線の駅名で置き換えてみましょう。「新宿→代々木→原宿→渋谷→恵比寿・・・」と並ぶ中で、「ド」が新宿だとします。この並びで見たとき、「ド」である新宿から2つ分離れている「ミ」はどうでしょう?
正解は原宿ですね。
このように、音程で言えば「ド」と「ミ」の位置する高さの差が、駅で言えば「新宿」と「原宿」の位置する距離が音程ということになります。
音程とは高さの差であり、距離である。
これが今回のポイントとなります。
正しい音程で歌うには、音程がどんなものであるのかを理解するが重要です。
なぜ音程を正しく取るのがニガテなのか
音程を正しく取るのがニガテなのは、大きく分けて4つの原因があります。
多くの方が「音痴なんですよね・・・」と言って歌を習いに来てくださるのですが、本質的に音痴である方は限られています。ひとつひとつ紐解いていくので、自分がどのパターンに当てはまるのかを確かめていきましょう。
そもそも自分がどの音を出しているのかが分からないから
いわゆる「音痴」というのはこの原因のことです。こちらは専門用語で「感覚性音痴」と言われます。
自分で音痴と言う人も、実は多かれ少なかれ、自分のアタマの中では「どの音を出していいか」がある程度分かっています。
この原因に当てはまる方は、他のパターンよりも改善に時間がかかるかもしれませんがご安心ください。原因が分かれば対策を取れるので、練習に踏み出しましょう!
どの音を出していいかある程度分かっているが、リズムに乗れていないから
「音痴なんですよね・・・」という方にも、まずは問答無用で発声練習をしてみるのが私のレッスンの特徴のひとつです。
「そんな拷問みたいなことを・・・鬼!」
とか言われそうですが、それにはちゃんとした理由があります。
それは「音を取る感覚が分からないのか」、それとも「リズムに乗る感覚が分からないのか」を見極めたいからです。
腹痛で病院に行くと、お医者さんがお腹をポコポコ叩きながら「どんな風に痛いですか?」とか「どのくらい痛いですか?」とか尋ねながら診察していきますよね。
これと同様で、音を発してもらうことで原因を探していくことが大事なのであえて発声練習をしていくのです。
実は、音痴だと思っている方の中で「音程はキレイに取れるけれどリズムがズレてしまうせいで音がズレてしまう」という方が何気に多いのです。
このパターンで特徴的なのは「リズムに乗れていないことに気づいていない方が多い」点です。
多くの方が音程には敏感である一方、リズムには疎いのでそうなっているのです。
ボイストレーニングの一環として、発声練習と並行してリズムトレーニングに取り組むことで音程も改善されていくので心配ありませんよ!
どの音を出していいかある程度分かっているが、メロディや演奏を聴けていないから
これはいわば「知っているつもり」のことですね。多くの方がメロディを「うろ覚え」で、それでも知っているつもりで歌ってしまうのに「なんかズレてるなあ」と首を傾げてしまうのです。
メロディには聴くポイントやコツがあります。英語のリスニングと同様、しっかり聴くべきところを聴くことで改善するのでご安心ください。
どの音を出していいかある程度分かっているが、共鳴を感じられていないから
自分の身体の中で声が響いている感じがつかめていないために、正しい音を出していても、小さい声や口が開いていない状態だと音は下がってしまいがちです。
すると、正しい音を取れているのにズレていき、そんな自分がイヤになってもっと声が小さくなり、口を閉じ気味になり・・・という悪循環に陥っている方も見られます。
このタイプの方は、身体を使うことを意識した発声練習に取り組んでいただくことで変わっていきます。
どの音を出していいかある程度分かっているが、発声が追いついていないから
高音や低音を上手く歌えない一番の原因はこちらです。
高い声の出し方や低い声の出し方、あるいはそのときの感覚が掴めていないと、いくら頭でメロディを覚えていても発声が追っつかず、ノドに力が入って音が上手く取れないのです。
この場合は、ボイトレを筋トレだと思っていただき、発声練習やその他フィジカル系の練習で鍛えていくことで改善していきます。
まとめ
音程を正しく取れない原因は、実はこのように色々とあります。
解決するにはまず音程の仕組みを知り、次に音程を正しく取れない原因を知るところから始まります。
ところで、音程はボイストレーニングのトピックの中で特に独学には適さない分野です。
なぜなら、他人のジャッジメントがないと正しい音程を掴むことが難しいからです。
私としては、問題解決のスピードが段違いに速いため、ボイストレーニングを受けることをおすすめします。
とはいえ、技術の進歩で色々なアイテムが出てきています。また、身近にあるものを使って様々な練習が出来ます。
次回の記事では、原因別の対策についてお伝えしていきたいと思います。
原因や傾向が分かれば対策が自ずと見えてきます。気持ちよく、楽しく歌えるようになる為に日々練習に取り組んでいきましょう!
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