こういった疑問にお答えします。
本記事の内容
- ボイストレーニング(ボイトレ)とは?
- ボイトレではどんなことをするのか?
- ボイトレ教室について
- 無料体験レッスンについて
本記事の筆者
今回は、「ボイトレとは何なのか?どんなことをするのか」についてお話ししていきます。
最近では習い事のひとつとして、あるいは声を使う仕事をする方や人前に立つ方が、ボイトレのレッスンを受けることが当たり前になってきています。とはいえ、「ボイス」を「トレーニング」、つまり「声を鍛えるって、一体どういうこと?」と疑問に思いますよね。
私も今でこそボイストレーナーとしてプロアマ問わず多くの方の指導をしていますが、10数年前に勉強し始めた頃は情報も少なく、そして「なんだか胡散臭い商売だな」と思っていたほどです(笑)
この記事を読むことで、「ボイストレーニングとは一体何なのか?どんなことをするのか」が明らかになり、独学したりボイトレ教室に通ったりするイメージが沸きやすくなると思います。ぜひ最後まで目を通してくださいね!
ボイストレーニング(ボイトレ)とは?
ボイストレーニング(以下「ボイトレ」)とは、一言で言えば「声を良くするためのトレーニング」です。
「声を良くする」際にトレーニングすることは大きく分けて以下の3つです。
- 歌うために適した呼吸法を身に付け、呼吸をコントロール出来るよう練習する
- 声を出すために必要なパーツを正しく使う方法を身に付け、発声をコントロール出来るよう練習する
- 歌や声に適した発音や音色の作り方を身に付け、発音や身体の響きをコントロール出来るよう練習する
つまり、呼吸や発声、発音、身体の響きをコントロール出来るようにしていくことがボイトレの主な目的となります。これらの要素を重点的に練習しつつ、音程やリズム感、ビブラートやフォールといった歌唱表現なども総合的に鍛えていくことがボイトレなのです。
ボイトレではどんなことをするのか?
ここでは、「ボイトレではどんなことをするのか」について、9つの分野・テーマに分けてお伝えしていきます。呼吸や発声が大事そうなのは想像が付きやすいと思いますが、これからお伝えする全ての分野・テーマを総合的に鍛えることで、身体に負担の少ない良い声を出せるようになるのです。
それぞれの分野の知識を深めたり、効果や練習方法も知りたい!という方はぜひ関連記事も読んでみてください!
知識・方法論
ボイストレーニングを行うに際して、ボイストレーニングの全体像を把握したり、それぞれのトピックに付随する知識を身につけることで練習が捗り、上達が早まります。また、適切な方法論のもとでボイストレーニングを学び、練習することが非常に重要です。
姿勢・ストレッチ
良い呼吸や発声をするには、「ストレッチ」をして身体をほぐしたり、「姿勢」を見直してより身体をコントロールしやすくすることが重要です。見逃されがちなトピックですが、歌はスポーツと同様、身体を使うので「歌う際に使う部位」を把握してほぐすことが重要です。
呼吸
良い声を出すために最も重要なのが「呼吸」です。歌に適しているのは腹式呼吸です。腹式呼吸のやり方を身に付けると、呼吸のコントロールがしっかりと出来るようになります。そうなると、声が揺れずに真っ直ぐ出せる、音程を取りやすくなる、低音も高音も出しやすくなる、声量が大きくなるetc…、あらゆる意味で「良い声」が出しやすくなるのです。
なお、インターネットを見渡すと呼吸を重視せず、高音発声のコツばかり伝えようとする方が見受けられます。呼吸のコントロールが出来ていないと、声帯の閉鎖や喉を開くといった動作を自由にコントロール出来ないので注意しましょう。
発声
ボイトレの中核をなすもう一つの要素が「発声」です。良い声を出すには、首に入りがちな力を抜きながら「喉を開く」。そして、のどの奥にある声帯という部位を上手くコントロールする、すなわち「声帯を閉じる」。この2つの動作が発声の要となります。
「喉を開く」ことと「声帯を閉じる」こと、この2つを適度にこなせること=発声上手なのです。ほとんどの方が「発声下手」だからこそ、発声を鍛えることで歌が上手になったり話し声が魅力的になっていきますよ!
共鳴
「声が身体に響く」。こう言われてピンと来ますか?「共鳴」もまた、ボイトレの重要な要素です。「共鳴」とはすなわち、吐く息が声帯を通過し、振動が発生することで生じる声の元となる音(喉頭原音)を身体のすみずみに響かせることを指します。声の元となる音が頭部や鼻腔、口腔に響き渡ることによって声が形成されるのです。
身体に声を共鳴させることで、オペラ歌手のような信じられない声量や、声優やアナウンサーのような太くて深みのある声を出せるようになります。そうでなくとも、声が身体に響く感覚を身に付けることで「あ、力まなくていいんだ」と分かり、喉声から脱出出来ます。
発音(調音・滑舌)
声を発する際、喉や舌、口の形を変えて言葉を形成するプロセスが「発音(調音)」です。良い声の要素の一つは「明瞭な発音」であり、発音が上手になることによって声を上手にコントロール出来るようになります。
音程・音域
実際に楽曲を歌うために、「音程」を正しく取るためのトレーニングは重要です。
また、音程をコントロールする際に重要な概念が「音域」です。音域とは「あなたが発声可能な音の幅」、すなわち「どこまで低い声が出て、どこまで高い声を出せるのか」というものです。ボイストレーニングをすることであなたが出せる音域は確実に広がります。
リズム
音程と同様、上手に歌うためには「リズム感」が重要です。リズム感を鍛えることで正しいタイミング・間合いで歌えるようになります。また、リズム感が整うにつれて音程が正確になり、緩急がついた歌や話し方も出来るようになっていきます。ロックやR&B、最近はアイドルの歌やアニソンでさえリズミカルな曲が多いため、ぜひ取り組みたいボイトレのテーマです。
アーティキュレーション(歌唱表現)
アーティキュレーション(歌唱表現)とは、ビブラートやしゃくり上げ、フォールといった聞き覚えがあるテクニックから、エッジボイス、ウィスパーボイス、アクセントや強弱の付け方といった歌唱テクニック全般のことを指します。歌唱テクニックを使えるようになるとよりカッコ良く歌えるようになるのでこちらも重要です。
分野・テーマについて小まとめ
「ボイトレではどんなことをするのか」を9つの分野・テーマに分けて簡単に紹介してきましたがいかがでしたでしょうか?ボイトレというのはこうして区分けして捉えてみると、どんなことをするのかイメージが沸きやすいのではないかと思います。次はそんなボイトレをどうやってやるのか見ていきましょう。
ボイトレ教室について
ボイトレは、一般的に音楽教室・ボイトレ教室で声の専門家であるボイストレーナーから習うものです。とはいえ、「そんなにお金をかけられないし、本や動画で独学出来ないのかな?」と疑問に思う方も多いですよね。
ここでは、ボイトレを独学でやる話を盛り込みながらボイトレ教室の話をしていきます。結論、独学でも出来ますがあまりおすすめしません。
独学でもボイトレは出来るがおすすめ出来ない理由
改めて、ボイストレーニングは独学でも出来ます。ただ、あまりおすすめしません。それには2つの理由があります。
- 独学でボイトレをすると「上達しているかどうか」が分かりにくいから
- 「どんなことを、どの程度やれば良いのか」が分かりにくいから
まず、独学でボイトレをすると「上達しているかどうか」が分かりにくいことについて。
例えば、私が本HPで記載しているような「腹式呼吸のやり方!簡単な練習方法とは」という記事を読んで実践すれば基本的に腹式呼吸が身に付きます。ただ、正しい呼吸が出来ているかどうか、なかなか判断のしようがないですよね。
つまり、「上達しているかどうかが分かりにくい」というのは、「正しいことをしているかどうかが分かりにくい」ということでもあるのです。
次に、「どんなことを、どの程度やれば良いのか」が分かりにくいからことについて。
ここでも「腹式呼吸のやり方」を例にすると、どんなことをどの程度やれば良いのかは、その人の気力・体力やその日の体調、身体の感覚などによって変わってきます。ドッグブレスをやったらお腹を動かす感覚がつかめる方もいれば、ロングブレスで長い時間息を吐き続ける練習をすることで感覚が掴める方もいます。もしくは、その他の方法でピンと来る方もいます。あらゆる練習メニューには相性があって、その人の性質によって合う合わないがあるのです。
そして、練習メニューを何秒間、何回、何セットこなせば良いか。それも人によって異なるのです。つまり、「どんなことを、どの程度やれば良いのか」は人によって異なるので正解がないのです。
このように、独学でボイトレをするには、「正しいことをしているかどうか、どんなことをどの程度やれば良いのか」を自分なりに考えて試行錯誤する必要があります。手間や時間をかけた末に、間違った練習方法を続けて悪い癖や間違えた感覚を身に付けてしまっては元も子もありません。
なので、なるべく音楽教室・ボイトレ教室に通うことをおすすめします。
ボイトレ教室に通うメリット
ボイトレ教室に通うメリットは以下の4つです。
- 専門家の耳や目で、正しい発声や身体の使い方をしているか判断してもらえる
- あなたの性質に合ったボイトレのやり方を提示&指導してもらえる
- 早く効率良く上達出来る
- 音楽仲間と出会えて日常が充実する
独学では「正しいかどうかが分からない」、「どんなことを、どの程度やれば良いのかが分からない」といったデメリットがあります。これらは全て、ボイトレ教室に通うことで解決出来ます。
「正しいかどうかを判断してくれる」、「あなたに合ったボイトレのやり方を提示してもらえる」、「それに沿って指導してもらえる」ことで早く効率良く上達出来るのです。
それだけではありません。音楽教室・ボイトレ教室に通うことで先生や生徒と仲良くなり、人付き合いの幅が広がり、人生が充実します。音楽好きだったり歌が上手くなりたいという目的が同じだったりするのが大きいですよね。同じ目的を持った仲間がいると「上手くならなきゃ!」とやる気も出ますし。
ボイトレ教室に通うデメリット
デメリットも2つほどあります。ぜひ知っておくと良いですよ!
- 費用がかかる
- 教室や先生と相性が合わないかもしれない
習い事なのである程度費用がかかるのがネックですね。音楽教室・ボイトレ教室でレッスンを習う相場は概ね、1回60分5〜6000円程度です。美容院1回分位の金額、と考えると決して安くはないと思います。それ以上のコスパを感じてくださっているから近年、ボイトレがメジャーな習い事になっているんですけどね!
また、教室や先生と相性が合わなかったらどうしよう・・・と思いますよね。音楽教室・ボイトレ教室は、いわば美容院と同じでアットホームな雰囲気の教室もあれば、スタイリッシュでエレガントな雰囲気の教室もあります。先生も十人十色で、高嶋ちさ子さんみたいなビシバシ系の厳しい方もいれば、たくさん褒めてくれるタイプの方もいます。
無料体験レッスンについて
無料体験レッスンとは?
メリットとデメリットを踏まえると、「習うかどうかはともかく、話ぐらいは聞いてみたいなぁ」と思う方もいらっしゃるはずです。そんな方におすすめなのが「無料体験レッスン」です。
実は、ほとんどの音楽教室・ボイトレ教室は無料体験レッスンを実施しています。
無料体験レッスンとは、レッスンを短めの時間受け、実際のレッスンの感じを体験出来るレッスンのことです。教室や先生の雰囲気、設備の充実度やどんな生徒さんが通っているなどを見て回れる貴重な機会でもあります。
私はこれまでに2回、全力で教室を探したことがあります。その際、数十校にわたる音楽教室・ボイトレ教室を見てきましたが、勧誘がしつこい教室は1つもありませんでした(意外ですよね)。なぜだと思いますか?私の教室を例にして説明します。
- 「良い体験レッスンをすれば基本的に(比較するまでもなく)入校してもらえる」
- 「わざわざ勧誘しなくても興味があれば先方が食いついてくれる」
少なくとも私はこういう方針で営業活動をしています。体験レッスンのあとで行う説明はレッスンの種類と費用のみです。ありがたいことに、このやり方で常に数十名の生徒さんを抱えていて、そもそも体験レッスンの時間を作れないことが多いほどです。
まともな音楽教室・ボイトレ教室ならガツガツ勧誘などしなくても、ある程度入校してもらえ、継続してもらえるのです。なので、ぜひ気兼ねなく教室がどんなものなのか見に来てくださいね。
どんなボイトレ教室を選べば良いのか?
近年、ボイトレがポピュラーな習い事になってきたこともあって音楽教室・ボイトレ教室は全国にたくさんあります。
全国展開する大手音楽教室から個人経営の教室まで、いろんな種類の教室があるため、どんなボイトレ教室を選べば良いのか迷ってしまいますよね。
詳しくは「おすすめの音楽教室ランキング【ボイストレーナーが選ぶ!】選び方、ポイントとは?」にて解説しているのでぜひチェックして頂きたいのですが、ここでは端的に3つだけポイントをお伝えします。
- 見るべきポイントは先生と教室の雰囲気が合うかどうか
- まずは中堅〜大手の音楽教室・ボイトレ教室の体験レッスンを複数受けて雰囲気の違いを比較する
- マンツーマンレッスンをしているかどうか
最も大事なのは、あなたにとって「先生と教室の雰囲気が合うかどうか」です。多くの教室が体験レッスンを実施しているのは、「これから生徒になりうる方に、先生や教室との相性を見極めてもらい、ミスマッチを防ぎたいから」です。
とはいえ、ひとつの教室だけ見ても比較のしようがないですよね。そこでおすすめなのが、「まずは中堅〜大手の音楽教室・ボイトレ教室の体験レッスンを複数受けて雰囲気の違いを比較する」ことです。
なぜ中堅〜大手の音楽教室・ボイトレ教室かと言うと、レッスンや先生の質がある程度高く、安定しているからです。1校しかない教室や個人経営の教室はレッスンや先生の質にばらつきがあるのと、もし先生との相性が悪いと辞めざるを得ないのがデメリットなのです。
試しに中堅〜大手の音楽教室・ボイトレ教室の体験レッスンをいくつか受けてみると、まるでセブンイレブンやファミマ、ミニストップ・・・コンビニのように、一見似たような音楽教室・ボイトレ教室でも先生や教室の雰囲気が全く違うことに驚くと思います。
そして最後に、マンツーマンレッスンをしているかどうかも大事なチェックポイントです。歌はほぼ間違いなく、先生と一対一で教わる方が上達が早いです。ただ、中にはグループレッスンしかない教室やグループレッスンをおすすめするところもあるのでぜひチェックしてみてください。
入るか入らないかは別として、最低3校程度、質的に安定した中堅〜大手の音楽教室・ボイトレ教室の無料体験レッスンを受けてみて先生と教室の雰囲気が自分と合っているかを見極め、マンツーマンレッスンをしているか確認するのがおすすめです。
まとめ:無料体験レッスンを受けてみよう!
中堅〜大手の音楽教室・ボイトレ教室・・・と言われても、おそらく「ヤマハ音楽教室」ぐらいしか思い浮かばないと思います。ただ、そんなヤマハさん、悲しいことに「グループレッスン推し」の音楽教室なのです。私も過去に見学しに行ったことがあるのですが、男女3人で同じ課題曲を使ったレッスンをしていて「歌いたい曲が出来ないし、上達に時間がかかりそう・・・」と思い別の教室を選びました。
そうならないよう、最後におすすめの中堅〜大手の音楽教室・ボイトレ教室を2、3校紹介しますね。業界でも有名なところですし、私の音楽仲間も務めているようなところなのでぜひチェックしてみてください。また、複数の音楽教室・ボイトレ教室を比較してみた記事も併せてご覧頂ければ幸いです!
シアーミュージック
EYS音楽教室